【柏】指揮官交代の効果は? 大谷秀和が語る加藤監督の要求と今後へのキーポイント

2018年07月20日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「望さんの要求はテンポをとにかく上げて…」

大谷が新体制の目指すサッカーについて話した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ16節]柏 0-1 FC東京/7月18日/三協F柏
 
 昨季4位のチームが、今季は16試合を終えて12位。柏は不振から抜け出せずにいる。14節終了後には、下平隆宏前監督から加藤望新監督に指揮官が交代。新体制の初陣は最下位の名古屋を3-2で下したが、就任からリーグ2戦目となったFC東京戦は0-1で落とした。
 
 停滞感が続く正体はどこにあるのだろうか。FC東京戦後には、大谷秀和がこんな言葉を残した。
 
「望さんの要求はテンポをとにかく上げて、サイドがもっと早く前に入って行くというところ。そのなかで、2、3人の共有がまだまだ足りないと思う」
 
 加藤監督が不調の原因と判断したのは、「テンポ」ということだろう。たしかに、柏はポゼッションサッカーを標榜しているが、ゆっくりとボールを回しているだけで、シュートまでたどり着けない場面はしばしばあった。
 とはいえ、シュートよりもポゼッションに執着してしまうことにも原因はある。大谷は話を続けた。
 
「ジェイ(伊東純也)やリュウ(小池龍太)がクロスまで行ける時に、中の枚数が足りていないとか(がある)。点を奪うってなったら、やっぱりあそこ(ゴール前)に人数をかけないと。クロスが上がるけど中が足りない状況は、点を奪うために改善していかないといけないですね」
 
 つまり、ゴール前に得点を奪えるターゲットマンがいないのだ。本来ならば、クリスティアーノや江坂任などがストライカーの役割を務めるべきだが、どちらもボールを欲しがって低い位置まで落ちるきらいがある。また、その際に彼らに代わってゴール前に飛び込む選手もいない。
 
 そのため、「テンポ」を上げたなかで、「イメージが合って、みんながゴール前に入る」(大谷)シーンを多くできるかが、加藤体制でのキーポイントになるだろう。幸い、伊東やクリスティアーノを筆頭に個の力でゴールを演出できるタレントはいるのだから、コンビネーションを改善できれば、浮上のきっかけを掴めるはずだ。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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