憧れはエムバペ!彗星の如く現われた上昇株はいかにしてU-17代表まで上り詰めたのか

2018年07月20日 川端暁彦

初めて日の丸を背負った若月だが、桐生一高では2月まで出場機会を…

サイドハーフからFWにポジションを移したことで若月の才能は一気に花開いた。写真:川端暁彦

 半年前には考えられない事態は、突然現実となった。桐生一のFW若月大和(2年)は、7月の国際ユースサッカーIN新潟を戦ったU-17日本代表で、全年代を通じて初めて日の丸を背負った。
 
「ビックリしました」
 
 そんなシンプルな感想も無理はない。新チームがスタートした段階ではレギュラーですらなく、「サイドハーフで出られるかどうかくらい」(若月)の立場だったからだ。ポテンシャルは高く評価されていたものの、新たにパスサッカーを志向するようになっていたチームの中で十分に居場所を見付けられていなかった。
 
 そんな若月の転機は4月30日に行なわれたプリンスリーグ関東の三菱養和ユース戦だ。この試合で若月はFWとして初先発。それまでのサイドハーフ起用と違い、前から追って、裏に抜け出し、ドリブルで仕掛けるスタイルを存分に発揮した。

 1得点・2アシストを決める大活躍で、4-2の勝利に貢献。これで桐生一内での信頼感をグッと高め、のちにU-17日本代表で一緒にプレーすることとなる栗原イブラヒムジュニアら精鋭が揃う関東の名門クラブを相手にしたプレーは、関係者の目にも留まることとなった。
 
 群馬県トレセンでのパフォーマンスも評価され、国際ユースサッカーIN新潟でついに代表初招集。「全国には絶対に眠っている選手がいる」と確信を込めて話す秋葉忠宏監督はメンバーの約半数を初招集選手で固めていたのだが、その枠の中に滑り込んだ形だった。

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