【FC東京】育成組織出身の大卒新人・矢島輝一がJ1デビュー!苦難を乗り越えた男が見た夢舞台の風景

2018年07月19日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

中高をFC東京で過ごした矢島に大学4年生を迎えた時に悪夢が…

15分ほどの出場だったが、様々な想いを噛み締めながら矢島はピッチに立った。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ16節]柏0-1FC東京/7月18日/柏

 7月18日、中央大からFC東京に戻ってきて約半年。J1・16節の柏戦でFC東京の矢島輝一がついにJ1リーグ戦デビューを飾った。

 出番は1-0でリードをしている74分。富樫敬真に代わって投入されると、1トップの位置に入って身体を張ったプレーでチームの勝利に貢献した。

 矢島は中学年代からFC東京で育ってきた生え抜き選手。U-15むさしからU-18に進んで活躍を見せていたが、トップ昇格は叶わずに中央大へ進学した。

 186センチの大型ストライカーは大学1年生から出場機会を掴むと、その才能を如何なく発揮。5月の関東大学リーグでは途中出場ながらチームを救う豪快なオーバーヘッドを叩き込み、チームに勝点1をもたらした。残したインパクトは強烈――。今後の成長が待ち望まれるタレントだった。

 その後も順調に力を付け、大学3年生の頃にはFC東京の特別指定選手に登録。U-23チームでJ3デビューも果たし、4試合の出場ながらJ3・2節の琉球戦ではJ初ゴールも奪った。
 
 しかし、大学4年生の3月。トップ昇格を逃した悔しさをバネにし、大きな飛躍を遂げようしていた最中だった。全日本大学選抜のドイツ遠征中に左膝の前十字靭帯を損傷し、全治8か月と診断されたのだ。

 目標としていたプロ入りに暗雲が立ち込めるほどの大怪我。「昨年は思い出したくないような日々で、プロに行けるかどうか、FC東京に近づけるかどうかの不安と戦っていた」という矢島は、大学サッカーのラストイヤーも棒に振る格好となった。しかし、将来性を買われ、夢だったFC東京入りが実現した。

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