本番前のマメ知識! 意外と知らない「3位決定戦」と「得点王」の関係性【ロシアW杯】

2018年07月14日 石川聡

「3位チーム」に勝ったほうがファイナルでは…

3位決定戦で対峙するケイン(右)とルカク(左)。得点王の座を争う両雄の出来が勝敗をも左右するか。(C)Getty Images

 日本時間7月14日午後11時、ロシア・ワールドカップの3位決定戦が、サンクトペテルブルクで行なわれる。イングランドとベルギーの対戦だ。
 
 イングランドは勝てば、地元開催で優勝した1966年大会に次ぐ成績。ベルギーなら、これまでの最高である86年メキシコ大会の4位を上回る。欧州の強豪対決を前に、3位決定戦の歴史を振り返ってみると、ひとつの傾向が浮かび上がってきた。
 
 3位決定戦は第1回の30年ウルグアイ大会では開催されず、初めて実施されたのは、次の34年イタリア大会。グループリーグ後に決勝リーグで順位を決めた50年ブラジル大会という例外もあり、これまで全20大会中、18大会で開催されている。この18大会を検証してみると、3位を確保したチームを準決勝で破ったチームが、7割超の13大会で優勝していることが分かった。これが欧州で開催された10大会では8大会で、確率が8割とさらに上がる。
 
 なお、準決勝が行なわれなかった74年西ドイツ大会、78年アルゼンチン大会は、グループ1位が決勝進出、同2位が3位決定戦に回る方式だったため、2次リーグを準決勝と考えた。
 
 直近の例では2010年南アフリカ大会。3位決定戦はドイツが3-2でウルグアイに競り勝ったが、このドイツを準決勝で1-0と下したスペインが、決勝でもオランダを延長戦の末に1-0で振り切り初優勝を果たした。その4年前のドイツ大会では、ドイツが3-1でポルトガルに勝って3位を確保。ドイツを準決勝で2-0と破ったイタリアが優勝トロフィーを掲げている。
 
 日韓共催の02年大会もこの例に当てはまる。この大会で3位となったのは、準決勝でブラジルに0-1で敗れたトルコ。ブラジルは横浜の決勝でドイツに2-0で快勝し、5度目の世界制覇を成し遂げた。
 
 前述の2次リーグの場合では、1974年大会でポーランドを2位に追いやった西ドイツが優勝。ポーランドは3位決定戦でブラジルに1-0と勝利した。78大会はブラジルを上回ったアルゼンチンが頂点に。ブラジルは3位決定戦でイタリアを2-1と下し、無敗で大会を終えた。
 
 前回のブラジル大会は当てはまらない。オランダが3位となったが、彼らを準決勝で0-0からのPK戦の末に退けたアルゼンチンは、決勝でドイツに延長戦で0-1と涙を呑んだからだ。

 
 こうした傾向を今回のロシア大会に当てはめてみると、3位決定戦でイングランドが勝てば、サッカーの母国を準決勝で振り切ったクロアチアの初優勝の可能性が高まり、ベルギーが3位になれば、フランスが5大会ぶりのタイトル獲得ということになる。
 
 もちろん、確率の問題に過ぎないが、はたして今回はどのような結果が生まれるのか興味深い。
 

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