【クロアチア2-1イングランド|採点・寸評】 死闘を制したのはクロアチア! 最高評価は1G1Aのペリシッチが獲得

2018年07月12日 内藤秀明・サッカーダイジェストWeb編集部

クロアチア――ペリシッチがついに本領発揮。

(C)SOCCER DIGEST

[ロシアW杯準決勝]クロアチア2-1イングランド/7月11日/ルジニキ(モスクワ)

【クロアチア|採点・寸評】
チーム 7

早い時間に失点する難しい展開となったが、早々に5バックに切り替え、中盤省略型のカウンター攻撃に徹するイングランドに対し、個々のクオリティーで上回るクロアチアはモドリッチ、ラキティッチ、ブロゾビッチの3人を中心としたボールプレーを実施。丁寧にサイドを突いてイングランド・ゴールをこじ開けた。68分に同点弾、109分に逆転弾をもぎ取り、初のファイナル進出を果たしている。

[GK]
23 ダニエル・スバシッチ 6

失点を喫した5分のFKはポジショニングのミスか。もっとも、その後はイングランドが守備的な戦いに転じたこともあり、枠内シュートが2本だけと、危険な場面に出くわすことはほぼなかった。スローインや近くの選手へのフィードが多く目に付いたのは、ロシア戦で攣った足をかばってのことか。決勝に向けて太腿の状態が気になるところだ。

[DF]
2 シメ・ヴルサリコ 7

膝の負傷による欠場も懸念されたがフル出場。突破からのクロスだけでなく中盤に留まってのつなぎにも積極的に参加し、68分には正確なアーリークロスでペリシッチのゴールをアシストした。延長前半にはあわや失点というCKからのシュートを、ゴールマウスに入って跳ね返している。

3 イバン・ストゥリニッチ 6(95分OUT)
対峙するトリッピアーが早い時間帯に最終ラインに吸収されたため、守備面の負担はほとんどなかったが、22分には失点につながりかねない致命的なパスミスも。縦のコンビを組むペリシッチとも息が合わず、延長から代わって入ったピバリッチと立場が逆転しそうな気配が。

6 デヤン・ロブレン 6.5
持ち前のパワフルな守備で、守護神スバシッチの前に強固な壁を築いた。55分のリンガードの正面からのシュートもしっかりブロックし、その直後にはゴール前に飛び込んできたケインをケア。セットプレーの場面では長身のマグワイヤを自由にさせなかった。

21 ドマゴイ・ヴィーダ 7
ファウルすれすれのタックルが何度か見られ、サポーターをハラハラさせたが、相手の枠内シュートをわずか2本に抑えられたのは、スターリングとラッシュフォードの快足を封じ込んだこの武闘派CBの貢献が大きい。
 
[MF]
☆MAN OF THE MATCH
4 イバン・ペリシッチ 8

右足の強烈なミドルを撃ち込むなど、ゴールの予感は前半からあった。右に左にポジションを変え、チーム最多タイとなる9本のクロスを送り込むなど、果敢にイングランド・ゴールにチャレンジしつづけた男は、68分にヴルサリコのアーリークロスに合わせて同点弾を叩き込むと、延長後半にはマンジュキッチのゴールをアシスト。今大会はここまでモドリッチやラキティッチらの影に隠れ、やや元気がなかったタフアタッカーが、この大一番でついに本領を発揮した。

7 イバン・ラキティッチ 6
疲労の影響からか、らしくないミスも散見されたが、120分間チームのために走り、長短織り交ぜたパスで攻撃を動かし続けた。この司令塔を中心に苦しい時間帯にしっかりボールをつなげたことが、結果的にイングランドを疲弊させた。

10 ルカ・モドリッチ 6(119分OUT)
頭脳的なプレーを最大の持ち味とするチームリーダーは、ピッチを退く119分まで気迫あふれるプレーを披露。疲弊しきった身体に鞭打ち、空いているスペースへ全力で走り込むなどチームを鼓舞しつづけた。

11 マルセロ・ブロゾビッチ 6.5
守備に追われる時間帯もありながら、ラキティッチやモドリッチの背後を的確に動き、プレーメーカーとしてチーム最多となる86本のパスを捌いた。延長後半のCKの場面では、後方から突如エリア内に走り込み、左足で惜しいシュートを放っている。

18 アンテ・レビッチ 6.5(101分OUT)
プレーはやや荒削りだが、闘志むき出しで敵陣を走り回る"重戦車型アタッカー"が示した「戦う姿勢」は、チームを大いに勇気づけた。ゴールには結びつかなかったものの、同点に追いついた直後の71分には、相手DFに鋭いプレスをかけ、ビッグチャンスをもたらしてもいる。
 

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