今回はいかなる歴史が生まれるか!? 決戦を前に「4強」の過去の準決勝を振り返る【ロシアW杯】

2018年07月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

フランス――1958・1982年大会

上段左から86年大会フランス、98年大会フランス、86年大会ベルギー。下段左から98年大会クロアチア、90年大会イングランド、66年大会イングランド (C) Getty Images

 7月10日、11日に行なわれるロシア・ワールドカップ準決勝。南米勢が全て敗退し、欧州勢が4強を独占することとなったが、フランス対ベルギー、クロアチア対イングランドはいずれも、現在のサッカー界において、最も興味深いカードのひとつだと言えるだろう。
 
 試合展開、勝敗を予想するのが難しい2つのカードからは、新たなドラマ、歴史が創られることとなるが、ここではその前に、この4か国が過去の大会の準決勝で演じてきた戦い、その結末を改めて振り返る。

――◇――◇――
 
◇フランス
・1958年スウェーデン大会
×2-5 ブラジル
最終成績:3位
 レイモン・コパ、ジュス・フォンテーヌといった欧州のトップレベルのタレントを擁し、グループリーグを首位突破。トーナメントラウンドでは、初出場の北アイルランドを4-0で一蹴し、5回目の出場で初のベスト4入りを果たした。
 
 決勝の相手はブラジル。開始2分でババのゴールで先制されると、いったんはフォンテーヌが同点とするも、ジジに勝ち越し弾を浴び、52分から75分のあいだに17歳のペレのハットトリックを許し、反撃はピアントーニの1点に止まった。
 
 決勝進出の夢は潰えたものの、3位決定戦ではフォンテーヌの4得点などで前回王者の西ドイツ(当時)を6-3で撃破。フォンテーヌは通算13ゴールを挙げ、大会得点王に輝いた。
 
・1982年スペイン大会
△3(4PK5)3 西ドイツ
最終成績:4位
 1次リーグはイングランドに次ぐ2位で突破。2次リーグでは、オーストリア、北アイルランド相手に連勝を飾り、西ドイツとの準決勝に進んだ。
 
 セビージャでの一戦、リトバルスキーの先制点を許し、プラティニのPKで同点。復調していた西ドイツが有利と見られていたが、フランスはプラティニ、ジレス、ティガナ、ジャンギニによる「中盤の4銃士」が流れるようなパスワークを披露し、互角以上のプレーを展開する。
 
 終盤にSBのアモロがロングシュートを放つもクロスバーをヒット。試合は延長戦に突入し、フランスは開始2分でセットプレーからCBのトレゾールがボレーシュートを叩き込む。さらに98分にゴール前のボール回しからジレスがゴール左隅に強烈なシュートを突き刺した際には、これで勝負ありかと思われた。
 
 しかし、ここから西ドイツが驚異の反撃を開始。流れるようなパスワークからリトバルスキーのクロスに飛び込んだのは、交代出場のルムメニゲ。さらに攻め続けた西ドイツは、ゴール前での浮き球をフィッシャーがオーバーヘッドで合わせ、試合を振り出しに戻した。
 
 そして勝敗は、W杯史上初のPK戦に委ねられ、先攻のフランスはジレス、アモロ、ロシュトーが成功。西ドイツはカルツ、ブライトナーは決めたが、シュティーリケがGKエトリに止められる。しかしフランスも4番目のシスが失敗し、以降はリトバルスキー、プラティニ、ルムメニゲが成功し、サドンデスに突入した。
 
 6人目、フランスのボッシが左側に飛ばしたボールにGKシューマッヒャーが反応、見事に弾き返す。そして西ドイツのルベッシュは難なくエトリの逆を突き、ウイニングシュートを決めた。
 
 失意の敗退となったフランスは、わずか2日後に行なわれた3位決定戦では、大幅にメンバーを入れ替えて臨み、ポーランドに2-3で敗れて4位に終わった。

【写真】勝ち上がってきたロシアW杯の4強――過去の準決勝での激闘録

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