「あの失敗は繰り返せない」二度目のW杯で輝きを放った香川真司の“ブラジルでの教訓”

2018年07月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「あれが自分のなかでひとつのベースになっていた」

大会を通じて好プレーを見せた香川。とりわけベルギー戦は豊富な運動量で攻守両面に貢献した。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

 日本代表はベルギー戦翌日の7月3日、ベースキャンプのカザンでメディア対応を行なった。ベルギー戦で持ち前の多彩な足技と周囲とのコンビネーションで輝きを放った香川真司が、自身二度目のワールドカップを振り返った。
 
 惜しくも逆転負けを喫したベルギー戦だが、香川自身もしっかりと手応えの残る試合だった。前半こそ押され気味の展開だったが、「今回はやっぱり良い守備をして、粘り強く戦っていくなかで自分たちのリズムを窺うじゃないですけど、そういうものが非常にチームとして統一されていた。仮にセネガル戦みたいに失点していても、辛抱強く、忍耐強くやり続けること。そこはチームとしても一人ひとりやり切れていたと思う」と、前半の劣勢をしっかりと凌げた要因を語る。
 
 その後、日本は後半立ち上がりに原口元気、乾貴士のゴールで2点をリードし、パスワークの流れも良く、さらに追加点を狙えるほどにベルギーを追い込んだ。しかし、65分にマルアン・フェライニ、ナセル・シャドリの二人のアタッカーを投入すると、流れは一変する。
「サッカーにはやっぱり、流れというものがあるんじゃないかというのを感じる、そういうことを象徴する試合でした。彼ら(ベルギー)は、70分以降の20分間、さらにギアを上げてきて、僕らはそこで3失点したわけで。前半の45分は耐えられたけど、後半は耐えられなかった」
 
 終盤の20分間にわたるベルギーの圧力を耐えきれなかった日本。香川はそれを、「力の差かなと思います」と素直に認めた。
 
 しかし、香川自身にとって今回のワールドカップは、前回ブラジル大会では得られなかった達成感、手応えを掴んだようだ。
「(ブラジル大会初戦の)コートジボワール戦を思い返せば、60分で足をつっていて、それは忘れもしないし、何もできなかった。自分のコンディション不足だったし、実力が足りなかったと思う。あれが自分のひとつのベースになっていたというか、あの試合があったから、あれを絶対に繰り返せないという気持ちは強かった」
 

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