日本は強くなったのか? 3大会連続で主将を務めた長谷部誠が感じる8年前との違い

2018年07月03日 佐藤俊

69分のあるプレーから流れが変わってしまった

長谷部は1失点目につながった自身のミスを悔いた。(C)Getty Images

 あと、1歩のところで逃したベスト8。
 
 ベルギー戦後、キャプテンの長谷部誠は、結果を含めてすべてを消化し切れない、そんな複雑な表情を見せていた。
 
「この結果に終わって、個人的には失望というか、悔しいですね」
 
 長谷部は、つい40分前に負けた試合についてそう言った。
 
 試合展開は、60分までは完璧だった。前半の苦しい時間帯を耐え、0-0で折り返した。後半に入り、すぐに原口元気のゴールで先制すると、畳み掛けて乾貴士のゴールで追加点を奪った。FIFAランキング3位の相手に怖いくらい理想的な試合展開を見せた。
 
 しかし、69分、あるプレーから流れが変わってしまった。
 
「1点目の失点のプレー、自分たちがキープしていて、自分のところでパスを出そうとした時、ちょうど真司(香川)に当たってしまって、そこからミスが続いて失点になってしまった。そういう本当に小さなミスがこういう舞台では大きく流れを変えるというのを改めて痛感しました。

 まぁ自分たちにとってアンラッキーな面がありましたけど、そこから相手は22番とか、前に大きな選手をいれてシンプルにセンタリングを上げてという状況になった時は、自分たちはかなり厳しい状態になっていた。簡単に振り返られるゲームではないですけど、まだまだ自分たちはベスト8に行く部分では足りなかったと思います」
 
 長谷部は、悔しさを押し殺して、流れを変えたポイントについて話をした。
 
 最後は力尽きたが、2-2にされた後もチャンスを作り、果敢に攻めた。ベスト8という光は何となく見えていたような気がする。その戦いぶりを見ても8年前の南アフリカの時とは異なり、大きな手応えを掴んだと思えるのだが……。
 
「そうですね。相手のレベルも前回と違うし、戦い方も自分たちがどういう風に戦うのかという部分において、8年前はかなり守備的だった。今日は絶対に受け身にならないで、守備でも自分たちからアクションを起こしてやっていこうという話をした。当たって砕けろじゃないですけど、自分たちはチャレンジというか勇気をもってかなりやれた部分があったんで8年前よりは手応えというか、戦えたというのはあります」
 

次ページベルギーの最も怖い一手を理解していたはずなのに、最後にやられるところに日本の甘さが垣間見えた

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