ベルギーの弱点はズバリ左サイド!! 対面の原口元気の推進力こそが武器になる!

2018年07月02日 飯尾篤史

左ボランチとして起用されるヴィツェルが左サイドをカバーしているようだが…

右サイドハーフでの先発が予想される原口。相手の弱みである左サイドの裏のスペースを持ち前のドリブルで突いていきたい。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

「赤い悪魔」と聞いてもどうもピンと来ないのは、ベルギーとは過去5試合を戦って一度も叩きのめされたことがないからだ。
 
 2000年と09年の対戦はキリンカップだったが、02年6月には日韓ワールドカップで対戦して2−2のドロー。ザックジャパン時代の13年11月、ブリュージュでの対戦は3−2の逆転勝利を収めている。負けたのは昨年11月、0−1で終わったブルージュでの対戦だけ。その試合も途中までエースのロメロ・ルカクを封じ込めていた。
 
 もっとも、今回ばかりはそんな相性の良さは、通用しないだろう。
 
 エデン・アザール、ケビン・デ・ブルイネ、アクセル・ヴィツェル、マルアン・フェライニ、ドリース・メルテンスら"黄金世代"が選手として最も脂の乗った年齢で迎える今大会で彼らは世界王者をその視界に捉えている。レギュラー陣だけでなく、サブにもアドナン・ヤヌザイ、ミチ・バチュアイ、トルガン・アザールら好タレントが控え、選手層も充実している。
 
 ところが、そんな強敵に対して本田圭佑は「弱点はいくつかピックアップしている」ときっぱりと言い切った。さらに「それを選手と共有し始めています」とも。
 
 果たしてその弱点とは何なのか。本田はそれについて明らかにしていないが、ベルギーが左サイドに弱みを抱えていることは確かだろう。
 
 左ウイングバックを務めるヤニック・カラスコは本来、ドリブルでの局面打開を得意とするアタッカー。代表チームでは左ウイングバックで新境地を開拓したが、それでもやはり左ウイングのようなプレーを見せる。
 
 パナマとの初戦では守備におけるポジショニングの悪さを覗かせていた。チュニジアとの2戦目は改善されたが、もともとプレーに波があるタイプ。日本戦でもポジショニングが甘い可能性がある。
 
 一方、3バックの左を務めるヤン・ヴェルトンゲンはパワー勝負に秀でた左利きのストッパー。左サイドバックを務めることもあるが、スピードやアジリティには問題がある。
 
 それゆえ、ヴィツェルを左ボランチとして起用してカバーしているのかもしれないが、ヴェルトンゲンの裏や中央のデドリック・ボヤタとの間のスペースはどうか――。ここに日本の金脈がある。
 

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