大迫勇也のポストワークが攻略の一手!ベルギーのCBはセネガルほど…

2018年07月02日 内藤秀明

単純なクロスは跳ね返される。出来るだけ地上戦で

コロンビア戦やセネガル戦でハイレベルなプレーを見せた大迫(左)をアルデルワイレルド(右)に当てるのはひとつの手だ(C)Getty Images

 ベルギー代表の3バックは堅牢だ。軒並み180cm後半以上のCBが揃っている。その中心的な選手が、右CBでプレーをするトッテナム所属のトビー・アルデルワイレルトだ。
 
 187cmという高身長ながら、機動力もあり、カバーリング能力にも優れている「気がきく」CBタイプだ。
 
 広いエリアに気を配ることができ、危ないスペースを見つけるといち早く察知してカバーしつつ、要所では身体を投げ出してでも潰しにくる。簡単にボールウォッチャーになるタイプではない。単純なクロスは跳ね返されるので、このCBを突破するには工夫が必要だ。
 
 一方でコロンビア代表のダビンソン・サンチェス、セネガル代表カリドゥ・クリバリなどと比較すると、フィジカル任せで理不尽にボールを回収していくタイプでもない。彼らを相手にしてもボールをキープできた大迫勇也をアルデルワイレルドに当てるのはひとつ手かもしれない。
 
 そこで基準点となり、香川真司や乾貴士が追い越していく。あるいは左サイドに引き寄せて、右サイドの大外を酒井宏樹がオーバラップしてくるといったプレーが出てくれば得点の可能性は高まる。
 
 左CBには、より攻撃的なタイプのヤン・フェルトンゲンが待ち構える。アルデルヴァイレルト同様にトッテナムに所属するレフティーは、189cmと相方より大きな上背ながらより器用なプレーを見せる。
 
 ビルドアップ時にドリブルコースを見つけるとスルスルと高い位置までボール運び、前線に縦パスを供給。その持ち上がりによってマーク全体がズレることは多い。大迫や香川はサボらずプレスバックしなければならない。
 
 守備のシーンでは、どちらかというとその巨体を生かして突っ込んでくるタイプ。原口元気など、身体を当ててのキープに自信がないタイプは出来るだけシンプルにはたくプレーを心がけるべきだ。
 
 一方で突っ込んできたところを、ワンタッチ目で逆をとるプレーができると、裏のスペースを有効利用できる。本大会、中盤で軽やかに相手を翻弄するプレーを見せている香川が、右サイドでボールを受ける瞬間のファーストタッチは注目だ。そこの突破からチャンスは生まれる可能性は大きい。

 いずれにしても最終ラインは全員大柄で単純なクロスは跳ね返される。出来るだけ地上戦で、縦パスをキープし、後ろから追い越していく形を作れると日本代表にチャンスが訪れるだろう。
 
文●内藤秀明
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