「ペレ以来? スゴイよね」“234億円男”エムバペは大会の主役となれるのか

2018年07月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「あのイングランド戦のマラドーナに匹敵」

フランス国民に大人気のアイドル、エムバペが大暴れ! フランス代表がW杯優勝を飾った1998年に生を受けた青年が、さらなる躍進の鍵を握る。(C)Getty Images

 フランスの全国スポーツ紙『L’Equipe』は、アルゼンチン戦で大車輪の活躍を見せたフランス代表FW、キリアン・エムバペに最大限の賛辞を贈った。
 
「手が付けられないパフォーマンスとはこのことだろう。そのインパクトの大きさは、1986年大会のイングランド戦でディエゴ・マラドーナが見せたそれに匹敵する。もしフランスが頂点に到達したなら、その価値はより輝かしいものになるだろう」
 
 あの"神の手"と"5人抜き"を生み出したスーパースターになぞらえたのだ。
 
 開始13分だった。自陣中央で敵のパスをカットするとグングン加速し、最後はマルコス・ロホをも振り切ってファウルを誘った。60メートルを独走する4人抜きドリブル。このPKをアントワーヌ・グリエーズマンが決めてフランスが先制した。
 
 その後チームは逆転を許し、57分にバンジャマン・パバールの華麗なボレーショットで2-2に持ち込む。するとそこから、エムバペのゴールショーが始まるのだ。64分に混戦から抜け出して左足で再逆転弾をねじ込むと、その4分後には高速カウンターからオリビエ・ジルーのパスを受け、豪快に相手ゴールを射抜いた。フランスは4-3の快勝を収め、2大会連続のベスト8到達。19歳のスピードスターは文句なしでマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

 
 グループリーグのオーストラリア戦でエムバペは、ワールドカップにおけるフランス代表の最年少出場記録(19歳5か月25日)を、続くペルー戦で同じく最年少得点記録(19歳6か月0日)を塗り替えた。そしてさらにアルゼンチン戦では、ワールドカップのノックアウトラウンドで2得点以上を決めた2番目の10代プレーヤーとなったのだ。先人は、ほかでもないブラジル代表の"キング"ペレ。1958年のスウェーデン大会以来、60年ぶりの快挙である。
 
 エムバペは恥ずかしそうに照れながら、こう感想を語った。
 
「ペレ以来なの? それはスゴイね。すごく光栄なことだし、おこがましいよ。だってそうでしょ。ペレなんて僕とは別のカテゴリーにいる人物。その中に加わることができたなんて、恐れ多いことだよね」

次ページアルゼンチン戦の勝利ボーナスも慈善団体に寄付

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事