"おじさんジャパン"は4年前と何が違うのか?重鎮たちの言葉から探る日本代表の実情

2018年06月30日 佐藤俊

岡崎は言う「勝つためのサッカーをやれている。それが前回とはまったく違うところ」

岡崎は「相手の弱さを突く、サッカー本来のプレーを追及していい結果が出ている」と手応えを語った。(C)Getty Images

 過信なき自信。
 
 グループリーグ3試合を終えて、このチームに感じることだ。
 
 コロンビア戦は、まだ地に足がついていない状態だった。
 
 ところが神風が吹き、思いがけず11対10という状況で90分間戦えた。先制されるまでは落ち着かない感じだったが、そこから日本は冷静さを取り戻し、同点、そして大迫勇也の決勝ゴールで勝利した。なんとなくふんわりしていたチームが凝縮されてひとつに固まり、チームや自分たちに対して朧気だった自信をハッキリと手につかむことができた。
 
 それは過去のワールドカップの時と同じ傾向だ。
 
 2002年日韓大会の初戦のベルギー戦、2-2で引き分けたが勝てる内容だったので「これからイケる」という感触を得た。2010年南アフリカ大会ではカメルーン相手に1-0で勝利し、直前のチーム大改革でお互いに疑心暗鬼だったチームがひとつになった。
 
「この勝利がもたらす効果は、計り知れない」
 
 長友佑都は、コロンビア戦後、そう言ったが、勝利した後、ロッカーで沸き立ったチームを見て、8年前を思い出したのであろう。
 
 セネガル戦もグループ最強と言われる相手に一歩も引かない戦いを見せた。
 
 この試合もミス絡みで失点し、先制されたが、そこから落ち着いていた。2度突き離されたが、2度追いつき、日本の底力を感じた。これまでの日本なら2-1になった時点で焦り、うまくいかないまま敗れていただろう。
 
「4年前のような自分たちのサッカーはないけど、勝つためのサッカーをやれている。それが前回とはまったく違うところで相手を知り、相手の弱さを突く、サッカー本来のプレーを追及していい結果が出ているので、こうやれば勝てるという自信はみんな持っている」
 
 岡崎慎司は、ブラジル大会の時と比較して、そう言った。
 
 スカウティングされた情報を分析し、勝つために必要な情報を選手に伝え、それをベースに戦い方を考えていく。形はないが、いかようにも変化できて、臨機応変に対応できることが逆に強みになり、それがこのチームの特徴になった。
 
 勝点を積み重ねたが、選手に過信はなかった。

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