【2014南関東総体】代表校の強さの秘密を探る|神奈川・麻布大附属

2014年06月26日 安藤隆人

役割を明確化・共有し、高い目標を掲げたことでチームがひとつに。

今年度から校名が麻布大附属渕野辺から麻布大附属に変更。昨年に続くインターハイ出場だ。 (C) SOCCER DIGEST

 昨年のインターハイ予選では、1次予選から9試合を勝ち抜いて優勝し、5年ぶり2回目のインターハイ出場を決めた。そして、今年も準決勝で桐蔭学園を破り、2年連続の出場を決めると、向上との決勝も3-1で制し、2連覇を達成した。

【2014南関東総体photo】神奈川・麻布大附
 
 しかし決勝の試合後、チームには勝利に浮かれる様子はなかった。それもそのはず、これは彼らにとってひとつの通過点に過ぎなかった。
 
「今年は、すべての大会で上を狙って行こうという意識になっている。去年は挑戦者でしたが、今年は獲るべきタイトルをすべて獲る。県内では三冠(関東大会予選、インターハイ予選、選手権予選)を獲ること、全国では日本一になること。大きな目標かもしれないけど、本気で狙うことが大事」
 
 安彦篤監督がこう語ったように、今年のチームは本気で高い目標を設定し、それを達成しようと一丸になっている。そのきっかけとなったのが、昨年のインターハイ予選前に、安彦監督の兄である安彦考真コーチが、結果を掴むためにやるべきことをまとめた資料の存在だった。
 
「スタメン、サブ、ベンチ外のメンバーそれぞれの役割を明確化してくれた」(安彦監督)。
この資料を選手全員に配り、役割を共有したことで、全国で勝つためには、全員がそれぞれの役割を全うしなければいけないという共通意識が持てるようになり、チームはさらにまとまった。
 
 昨年の福岡インターハイの初戦では、星稜を相手に1-1からのPK戦の末に敗戦。
「インターハイ8強、選手権準優勝をしたチームに引けを取らなかった。ただ、星稜は毎年全国に出て、勝ち続けているプライドがあった。星稜の選手が見つめているのは、全国の頂点。一方で我々は『神奈川ナンバーワン』。それではいつまで経っても差が埋まらない。ウチも全国で勝つことを目標にしないといけないと思った」(安彦監督)
 
 目標を高く掲げたことで、選手たちはさらに結束を強めている。昨年の選手権では予選敗退を喫したものの、その悔しさを経験した当時の2年生を中心に、今年はより攻撃色の強いサッカーを展開するチームに仕上がっている。
 

次ページ持ち前の攻撃サッカーで全国の頂点を目指す。

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