「なぜホンダを外した?」ハリルの元右腕はTV番組での問い掛けにどう答えた?

2018年06月25日 結城麻里

日本の出来にバロンドーラーも目を丸くして

フランス国内でも話題は3大会連続弾を決めた本田(右)に集中。ボヌベー元コーチも日本代表の粘りに賛辞を贈った。(C)Getty Images

「おう、嬉しいだろう!」「なんか日本って、異様な驚きだなあ」
 
 朝のカフェでこんな言葉が飛んできた。日本vsセネガル戦から一夜明けた6月25日、フランス人と同様に「自分のカフェ」を持つ日本人は、きっと各地で同じような言葉をかけられたに違いない。
 
 セネガルが大好きで、セネガル代表選手の多くを育成してきたフランス人指導者の事前予想は、当然ながらセネガル勝利。「コロンビアにはアクシデント的に勝った日本だが、セネガルのアスリートパワーには太刀打ちできないだろう」というのが戦前の見立てだった。ところが、リードしてもそのたびに追いつかれる空前のドロー劇。出演したテレビ番組で「驚きのフォルス・ド・カラクテール(性格の強力さ)を見せつけた」とコメントした。

 
 象徴的だったのが、かつてバロンドールを受賞した元フランス代表FW、ジャン=ピエール・パパンの反応だ。日本戦の後、コロンビアvsポーランド戦で中継局『beIN SPORT』のスタジオに招かれたパパンは目を丸くしながら、「日本代表チームの出来は驚きものだった。(リードされても)決して疑念を持たず、決して下がらず、常に攻撃し続けた」と話した。
 
 権威ある全国スポーツ紙『L’Equipe』も、「タカシ・イヌイ(乾貴士)のおかげで唯一のチャンスをゴールに変えた前半は、氷のようなリアリズム」だったと表現。その乾には10点満点で採点「7」が付いた。
 
 また同紙でセネガル記事を担当してきたエルベ・プノ記者は、「ボディーランゲージが間違いなく本音を現わしていた。終了のホイッスルが鳴ったとき、多くのセネガル選手がドロー決着にげっそりして芝に横たわったのに対し、日本選手たちは笑顔たっぷりに挨拶し合っていた」と書き綴った。さらに、「(セネガルの)スタッフは日本選手のテクニカルクオリティーや、何度でも走り、中盤でパスを繰り返すキャパシティーを危惧していた。後半のライオンたちは、この果てしない動きに上手くついていけなかったのだ」と分析している。
 

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