【橋本英郎】“ボランチ柴崎”のハイパフォーマンスに計り知れない衝撃を受けた!

2018年06月22日 橋本英郎

「運も実力のうち」やはり西野監督は勝負師だなと

ボランチがなんたるかを熟知する橋本でさえ、コロンビア戦における柴崎(写真)の出来には……。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

 ロシア・ワールドカップが大盛り上がりですね! 
 
 今大会は好ゲームが続出していて、新しい勢力図も生まれそうな気配。その流れに日本代表も上手く乗りました! 見事にコロンビアを撃破しました! 結果には本当にビックリしましたが、日本中のたくさんの方に希望と勇気を与えたはずです。
 
 なぜ日本は勝つことができたのでしょうか。今回はそこを分析してみようと思います。
 
 このゲームで大きなポイントとなったのは、ふたつ。
 
 ひとつ目はずばり、指揮を執る西野朗監督。その「勝ち運」です。「運も実力のうち!」とはよく言いますが、やはり西野監督は勝負師だなと思いました。
 
 なぜそう思ったのか。まずは、先発のメンバー構成。最終的に軸は変えなかった。西野監督が当初から軸と考えていたのは川島永嗣選手、吉田麻也選手、長谷部誠選手、大迫勇也選手の4人。このセンターラインに手を加えなかったのです。でも、ディテールは変えてきましたね。それがセンターバック、ボランチ、そしてトップ下でした。

 
 直前のパラグアイ戦で高評価を得た選手は多かったと思います。コロンビア戦では本番での経験値、厳しい闘いを潜り抜けてきた選手を軸に据えましたが、その代わり、軸を支えるパートナーや周りの選手は、調子の上がっている選手に変更してきました。それが、昌子源選手、柴崎岳選手、乾貴士選手の3人。加えて、トップ下のポジションも香川真司選手を選びました。この一連の変更が、チームに勢いをもたらしたわけです。
 
 先制点が生まれたシーンなどは、その効果がよく表われています。"軸"の大迫選手を"好調"の香川選手がよくフォローアップしていました。大迫選手は本来なら最初のシュートチャンスでゴールを決められる選手だと思いますが、まだボールが足についていませんでしたね。そこをしっかり香川選手がカバーしていました。西野監督のチョイスが正しかったのであり、言わば勝ち運だと思います。
 
 パラグアイ戦の結果とパフォーマンスを考えれば、個人的にはもっと大胆にスタメンを代えてくると予想していました。それでも、軸は変えなかった。しっかり現状のチームバランスを見極めた結果だと思います。
 

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