西野ジャパンは”マイアミの奇跡”を超えられるか?セネガル戦は歴史を塗り替えるチャンスだ

2018年06月21日 佐藤俊

歴史は繰り返さないためにも、セネガルを倒す必要がある

勝点6でも突破できなかったアトランタ五輪の苦い経験は、西野監督の頭にもよぎっているはずだ。(C)Getty Images

 初戦のコロンビア戦の勝利は、最高のスタートになった。
 
 正直、神風が吹いたとしか思えない。
 
 コロンビアの攻守のキーマンがレッドカード、そしてPKの贈り物だったが、そのシチュエーションをしっかりモノにして勝ったことは決勝トーナメント進出に向けて1歩前進したと言えよう。
 
 このコロンビア戦の勝利、勝点3をより活かすには、次のセネガル戦の結果が非常に重要になってくる。セネガルに勝てば、勝点6でグループリーグ突破はほぼ確実になる。だが、負けると最後のポーランド戦の結果次第ということになる。そうなると、ちょっと嫌な思い出がよみがえる。
 
 1996年のアトランタ五輪だ。
 
 初戦のブラジルに1-0で勝利し、マイアミの奇跡と言われた勝利でチームは波に乗った。そのままの勢いで続くナイジェリア戦もいい試合ができると思ったが、消極的な戦いをして0-2で敗れてしまった。
 
 この時点でナイジェリアが勝点6でトップ。ブラジルは得失点で日本を上回って2位、日本は3位だった。
 
 グループリーグ最終戦、日本はハンガリーに3-2で勝ったが、ブラジルがナイジェリアを1-0で破った。その結果、2勝1敗で3チームが並ぶというハイレベルな争いになったが日本は得失点差で3位となり、勝点6を取りながら決勝トーナメント進出がならなかった。
 
「勝点6を取って次のステージにいけないのか」
 
 当時、青い顔をして嘆いた西野監督は、この苦い経験を忘れてはいないだろう。
 
 また、当時の対戦相手の順番は南米(ブラジル)、次はアフリカ勢(ナイジェリア)、欧州(ハンガリー)で、今回のロシア・ワールドカップの対戦の並びが全く同じだ。
 
 歴史は繰り返されるというが、そうさせないためにもセネガルを倒す必要がある。
 
 次戦に向けて大事なのは、まず頭を切り替えることだろう。
 
「コロンビア戦は、最初から10対11になった。だが、こういう展開には次はならない。これはもう終わったものとして、セネガルに勝つためにどう戦うのか、考えていかないといけない」
 
 

次ページスタメンはコロンビア戦と同じにする必要はない

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事