【W杯 コロンビア戦プレビュー】積極的な「縦パス」が希望を生み、奇跡を呼ぶはずだ

2014年06月24日 原山裕平

エクスキューズは排除、退路を断って最後の戦いに。

暑さは問題ないと、青山や香川は語った。退路を断って最後の戦いに挑む意気込みが伝わる。 (C) SOCCER DIGEST

 コロンビア戦前日の公式練習が始まった午後3時の時点で、クイアバの気温は摂氏30度を超えていた。それでも、「一番涼しいんじゃないですか、ここは。蒸し暑さもないですし」と青山敏弘が問題ないと強調すれば、香川真司も、「湿度が高いよりもやりやすいんじゃないかと思います」と、過去2戦と比べてプレーしやすい環境であると、そう明かした。
 
 もっとも、過去2試合がナイターだったのに対し、今回は午後4時キックオフ。直射日光を浴びながらの試合となるだけに、やはり暑さの影響は否定できない。それでも「問題ない」と主張するのは、エクスキューズを排除したいからだろう。環境を言い訳にせず、100パーセントの力を出し切るのみ。崖っぷちに立たされて迎えたコロンビアとの一戦に、選手たちはまさに退路を断って挑もうとしている。
 
 すでにグループリーグ突破を決めているコロンビアが、この試合にどの程度のテンションンで臨んでくるかは分からない。一部報道によれば、メンバーを落としてくる可能性が高いという。その点は日本にとって幸運だろう。一方で、重圧がない分、思い切ったプレーを仕掛けてくると、そうも考えられる。
 
 対する日本は、対極のメンタルでこの試合を戦うことになる。プレッシャーが底力を生み出すのか、それとも堅くなって普段のプレーが出せなくなるのか。どちらにも転ぶ可能性があるだけに、戦術や采配以前に、まずはこの精神力こそが、コロンビア戦に求められる最も重要な要素となる。
 
「この1試合にすべてを懸けたい。もちろん、これまでやってきたものを出すということも必要ですが、そうじゃなくて形に囚われずに、自分たちが感じたままにサッカーをやれればいいのかなというのは、この2試合を終えて感じていること。苦しければみんなでディフェンスすればいいし、点が必要になればみんなで前に行けばいい。すべてを出し切ることが求められていると思う」
 
 岡崎慎司は並々ならぬ覚悟を持って、こう話した。

次ページ相手を警戒しすぎたらコートジボワール戦の二の舞だ。

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