【チュニジア 1-2 イングランド|W杯選手採点&寸評】2ゴールで救世主となったケインが文句なしのMOM!

2018年06月19日 内藤秀明

影の主役となった巨漢CBも高評価

(C) SOCCER DIGEST

[ロシアW杯グループG]チュニジア 1-2 イングランド/6月19日/ヴォルゴグラード・アレーナ(ヴォルゴグラード)

【イングランド|寸評・採点】
チーム 6.5
かなり前がかりな3-1-4-2で臨んだ初戦は、前線に枚数をかけことに成功して多くの時間で相手を支配。イングランドらしからぬ小気味いいパスワークも披露した。守備面も、チーム全体(特にリンガード、アリ、ヘンダーソン)がハードワークすることでバランスを取った。

システムにおける人員配置的なミスを挙げるとすれば、パスの出し手となれる中盤の選手がヘンダーソンしかいなかったことか。起点を潰され、結局、サイドからの単調なクロスに大勢の選手が飛び込むという旧態依然としたイングランドらしい側面を垣間見せるシーンも見受けられた。

アリかリンガードの代わりにボールを捌けるダイアーやデルフを置くのか、あるいはCBがパスの出し手として積極的に楔のパスを前線に当てるようにするのか、何らかの修正は必要だが、攻撃的なフットボールで勝利を収め、上々のスタートを切った
 
【イングランド選手採点】
[GK]
1 ジョーダン・ピックフォード 6
チュニジアの枠内シュートはPKのわずか1本。その1本も指先ギリギリ触っており、悪い反応ではなかった。チームが一方的に攻め込み、集中力を持続することが難しい展開の中、ミスはなかった。

[DF]
2 カイル・ウォーカー 5.5
PKを取られた場面、肘を高い位置で張る動作は不用意だったと言える。一方、3バックの一角として相手の右サイドからの進行は完全に封殺。唯一の失点を招いたため、高い点は付けられないが、守備のパフォーマンスは決して悪くはなかった。

5 ジョン・ストーンズ 6.5
守備でミスはなし。最終ラインからビルドアップでも起点であり続けた。先制点の場面では直前に惜しいヘッドを放って、ケインのゴールを呼び込むなど、攻守で存在感を示した。

6 ハリー・マグワイア 7
影の主役はこの人。守備では体躯を利して相手を潰し、攻撃でも見た目から考えられぬ器用さを見せた。そして、相手ボックス内で3回も空中戦で競り勝ち、うち1回がゴールに繋げた。

[MF]
8 ジョーダン・ヘンダーソン 6.5
リンガードとアリが高い位置をとるため、守備面では難しい舵取り役を任せられたが、そのタスクを見事に完遂。攻撃でも何度も効果的なサイドチェンジを成功させ、攻撃の起点として機能した。

12 キーラン・トリッピアー 6
持ち味の攻撃を活かしてウイングバックで躍動。上下動を繰り返し、精度の高いクロスを何度も供給。決勝点の場面では、キッカーとしてCKから精度の高いボールを蹴り込んだ。

7 ジェシー・リンガード 6.5 (90+3分OUT)
インサイドハーフという不慣れなポジションながら、持ち前の運動量を活かして奮闘。相手の裏のスペースから中盤の底まであらゆるエリアに顔を出した。決定機を決めれば文句なしだった。

20 デル・アリ 6 (80分OUT)
本来の適正ポジションはもう一列前だが、それでもきちんと守備のタスクをきちんとこなしつつ、スペースへの飛び出しで何度も決定機を演出した。相手を手玉に取るような技巧を敵ゴール前で見せる余裕があっても良かったか。

18 アシュリー・ヤング 6
スペースがない状態での攻撃が続いたため、切り替えしてのアーリークロスや、それを囮にしてのドリブル突破など、得意のパターンを見せることはほぼなかった。とはいえ、惜しいクロスを度々供給し、先制点の場面でもCKのキッカーを務めた。
 

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