【ポルトガル3‐3スペイン|W杯選手採点&寸評】3ゴールのC・ロナウドが文句なしのMOM! 「ワールドクラス以外の何者でもない」

2018年06月16日 内藤秀明・白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

ポルトガル――攻め込まれながらも致命的な場面は少なく。

(C)SOCCER DIGEST

[ロシアW杯グループB]ポルトガル 3-3 スペイン/6月15日/フィシュト(ソチ)

【ポルトガル|採点・寸評】
チーム 7

中盤が厚いスペインに対して4-4-2システムで臨んでいたため、中盤で数的不利になり、相手に攻め込まれるシーンも多かった。だが、センターへのパスコースはしっかり消していたため、致命傷を負うことはなかった。3失点の主な原因はシステム的な問題ではなく、相手チームの個の力に屈した形。また、守備面でリスクを犯した結果として、クリスチアーノ・ロナウドが前線に待機し、その周囲をゴンサロ・グエデスがサポートするというカウンターが機能。この高速カウンターは一撃必殺の威力がある。今大会、ポルトガルと対戦するチームは、このカウンターをどう止めるかがひとつの焦点となるはず。それほどに見事な連携だった。

[GK]
1 ルイ・パトリシオ 6

3失点ともに、彼自身のミスではない。どのゴールもGKのところで止めるのは難しかった。セービング、飛び出し、組み立て、すべてのプレーが安定しており、強豪国の守護神として相応しい活躍を見せた。

[DF]
3 ペペ 5.5

押し込まれる展開の中、ゴール前では身体を張り続け、何度もピンチを防いだ。攻撃面でも、2点目のシーンで起点となるフィードを入れるなどいいプレーがあった。それだけに、D・コスタとの競り合いの場面で安易にファウルをもらいにいき、プレーを止めてしまった1失点目のシーンが悔やまれる。

5 ラファエウ・ゲレイロ 6.5
セドリク同様、苦しい状況下でも粘り強いプレーで守備面に貢献。同時にタイミングのいい攻め上がりで攻撃陣をサポートした。右のセドリクよりも攻撃面での貢献は高かったが、クロスの精度がイマイチだったのは同じ。

6 ジョゼ・フォンテ 6
1失点目の場面、ボックスの外でクリアできれば理想だったが、D・コスタの"ゴリ押し"によってボックス内にまで運ばれてしまった。遅れ気味での守備だったことも考えると、ミスを責めるより相手を褒めたほうがいいかもしれない。それ以外の場面では、攻守両面で安定したプレーを披露した。

21 セドリク・ソアレス 6
中央を重点的に守り、サイドは手薄になりがちなシステムにおいて、数的不利な状況も数多くありつつも、粘り強く守り続けた。あとは、攻撃面での貢献度が高まれば文句なしだ。クロスの精度は低かった。
 
[MF]
8 モウチーニョ 6.5

本来攻撃的な選手ながら、質の高いハードワークで守備のタスクもきちんとこなした。また攻撃の場面では、決定機にこそ絡まなかったものの、組み立ての起点として堅実にさばきつつ、相手のプレスを受けた際の「落ち着かせ所」として機能していた。

11 ベルナルド・シウバ 6(69分OUT)
コース取りのいいドリブル突破を見せることもあったが、この日は守備に追われる時間のほうが長かった。ボールを失わないのは素晴らしいが、今後はもっと得点シーンに絡んでいきたいところ。

14 ウィリアム・カルバリョ 6.5
大柄な体躯を生かした奪取力やキープ力を披露。パスワークの部分で大きな貢献ができるタイプではないが、つねに冷静で、危険なボールの失い方をするシーンはほとんどなかった。また3点目の場面ではフィードを供給し、FKによる得点の起点となった。

16 ブルーノ・フェルナンデス 6.5(68分OUT)
攻守においてハードワークしつつ、カウンターの場面では正確無比のパスをC・ロナウドに供給。パスセンスが光るシーンが何度もあった。今後もカウンターの場面で重要な役割を果たすだろう。
 

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