イランが劇的弾でアジアをも救った!「8年、16戦未勝利」の闇を振り払う!

2018年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

あの日本のデンマーク戦快勝劇以来、実に8年ぶり

選手たちと勝利の喜びを分かち合うケイロス監督。試合後には選手たちを手放しで褒めちぎった。(C) Getty Images

【6月15日・サンクトペテルブルク|グループB モロッコ 0-1 イラン】

 試合終了のホイッスルが鳴ると、イランの選手たちは一様にピッチに倒れ込んだ。力を出し尽くした死闘。彼らにとってこの1勝が持つ意味は大きかった。

 立ち上がりからモロッコの素早く、鋭い攻撃の前に劣勢に立たされたイランは、我慢を強いられる時間が続いた。それでも4-3-3システムのアンカーに入ったオミド・エブラヒミを中心とした守りで応戦し、徐々にカウンターも決まり出す。

 その後もモロッコと一進一退の攻防を繰り広げたイラン。歓喜の瞬間が訪れたのは、後半アディショナルタイム5分だった。敵陣左サイドで得たFKをエフサン・ハジサフィが力強く蹴り込むと、ペナルティーエリア内で呼応したモロッコのアジズ・ブハドゥズがクリアミスし、ボールはそのままゴールに吸い込まれた。

 結局はこのラッキーな一発が決勝点となったわけだが、イランにとっては悲願の白星となった。彼らが最後にワールドカップで勝ったのは、1998年フランス大会のアメリカ戦(グループステージ2節 2-1)まで遡らなければならない。実に20年ぶりである。
 
 アジア勢にとっても、待望の勝ち星となった。

 なんとここまで16戦連続で未勝利だったのだ。3ポイント奪取は、2010年の南アフリカ大会で日本がデンマークを相手に3-1で勝利して以来。本田圭佑と遠藤保仁のFK弾に加え、岡崎慎司のダメ押し弾で快勝を収めたあの一戦だ。2014年ブラジル大会では出場4か国がいずれも1勝もできず、PK戦を引き分けと換算すれば、5分け11敗という体たらくだった。

 緻密な守備戦術でイランを20年ぶりの勝利に導き、試合終了後、選手たちに胴上げされたのが、指揮官カルロス・ケイロスだ。「決して奇跡なんかじゃない」と言い切る。

「モロッコは我々をよく研究してきていた。ただ、我々も相手が立ち上がりから仕掛けてくることを知っていた。だから少し時間を使いながら相手を精神的に崩そうと考え、それに成功した。43分にカウンターが決まったところでモロッコに勝てると確信したよ。私は選手たちを信頼していた。彼らこそ誰よりも称賛を浴びなければいけない。それを強調させてほしい」
 

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