【日本代表】あの8年前の大抜擢のように――謙虚なGK東口順昭は「強気に」挑む覚悟で

2018年06月12日 サッカーダイジェスト編集部

「見せたいというよりも、とにかくチャレンジしたい」

パラグアイ戦で抜擢され、チームを勝利に導く働きを見せられれば……。長くバックアッパーに甘んじてきた東口だが“ラストチャンス”をモノにしたい。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 いくつかあるレギュラー争いのなかで、一見すると"無風地帯"に思われるポジションがある。日本代表では、川島永嗣という豊富なキャリアと実績を持つ男が陣取るGKも、そうかもしれない。
 
 ただ、当たり前の話だが、約束されたポジションなどひとつもない。例えば、2010年の南アフリカ・ワールドカップ直前まで守護神の座にいた楢﨑正剛は、本大会ではバックアッパーの立場だった。開幕を間近に控えたイングランドとのテストマッチで抜擢され、そのままレギュラーを奪取したのは、他ならぬ川島だった。
 
 歴史は再び、繰り返されるのか。長く控えに甘んじてきた東口順昭に、ロシアの地でピッチに立つ可能性はあるのか。
 
 8年前の例を引き合いに、出場が予想されるパラグアイ戦で「見せたいものは?」と報道陣から聞かれた東口は、謙虚に次のように応じている。
 
「見せたいというよりも、とにかく自分自身はチャレンジしたい。どれだけ自分が通用するのか、しっかりチャレンジしないといけないと思うので」
 
 自分の実力を誇示しようとか、ポジションを奪ってやろうとか、良い意味で、そういった気負いはない。「チャレンジ」というフレーズを何度か口にし、あくまでも挑戦者として、自分の足もとを見つめて、戦おうとしている。
 
 そんな東口は、自分のことよりも、まずはチームを優先的に考える。
 
「この前と違うメンバーが出るとしたら、しっかり結果を残すことで、チームの底上げにもなる。いろいろ流れが変わるきっかけになると思うんで。すごく大事な試合になる」
 
「メンバーが変われど、ワールドカップにアプローチしていく大事な試合。それはどんなメンバーが出ても一緒やと思うし。チーム力というか、組織力をしっかり、どう戦っていくかを示すことができれば、良い形でワールドカップに入ることができる。そういう責任とか重要性はすごくある」
 
 その大事な試合でゴールマウスを守り、無失点に抑え、勝利に貢献できたとしたら――西野ジャパンにとって最後のテストマッチは、東口にとって"ラストチャンス"になるかもしれない。どこか飄々として、温和な雰囲気を醸し出すが、「(代表では)今まで思ったようなプレーはできていないので、それを糧に、しっかり強気にやっていきたい」と言葉に力を込めた。

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