【セルジオ越後】なんでGK以外が一括り?選考基準も曖昧で「年功序列」と言われても仕方ないよ

2018年05月31日 サッカーダイジェスト編集部

本大会を前に全体像が見えないなんて異例だ

ガーナ戦に先発した本田(左端)ら順当なメンバーが23人に選ばれた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップに臨む日本代表メンバー23人が発表された。98年のフランス大会ではカズ、2002年の日韓大会では(中村)俊輔が落選するなど、過去の選考では様々なドラマがあったが、今回はサプライズはなかった。それだけに拍子抜けした人も多かったんじゃないかな。本田や長谷部ら予想通りの顔ぶれが並んだ。
 
 23人から漏れたのはリオ五輪世代の井手口、浅野、三竿の3人だ。その分、平均年齢は上がった。経験のある選手を揃えたと言えば聞こえは良いが、若手を外した明確な理由は分からないまま。西野監督は「能力のある選手」と井手口らのことを褒めていたが、クラブで出場機会を失っていただけにコンディション面に不安を感じたのか。でも、それは怪我を抱えていた乾らも同じだよね。選考の基準は曖昧で、「年功序列」と批判されても仕方ないよ。
 
 これだったらヨーロッパで逞しく成長した中島や堂安を入れたほうが将来のためになったはずだ。結局はハリルホジッチの時と変わらないメンバー構成だし、何のために監督を代えたのか分からないよ。
 
 GK以外の20人を一括りにフィールドプレーヤーとして発表した点にも驚かされた。こんなの前代未聞だよ。なぜポジションに分けて発表しなかったのか。槙野や吉田をFWで起用するプランでもあるのかな。なんのメリットがあるのか僕には理解できない。
 
 理由としてはどの選手をどのポジションで起用するのか、西野監督はまだ迷っているということなのだろう。例えばガーナ戦では長谷部を3バックのリベロ、原口を右ウイングバックで先発させたが、機能したとは言い難い。
 
 テストが上手くいかなかったのだから、西野監督は頭を悩ませているはずだ。ポリバレントな能力を重視して選考したというが、裏を返せば「この選手にはこのポジションを任せる」という明確な意思がないということだ。結局、西野ジャパンがどんなサッカーをしたいのか伝わってこないし、本大会を前にここまで全体像が見えないなんて異例だよ。きっと選手たちも混乱しているはずだ。

【日本代表PHOTO】ロシアW杯本大会に臨む登録メンバー23人

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