【現地発】CL決勝はベイルとベンゼマにとって、マドリー残留を賭けた「最終審判」の場に!?

2018年05月26日 エル・パイス紙

ベイルは万全のコンディションでも…。

リバプール戦でベンゼマ(背番号9)とベイル(背番号11)に出番は訪れるのか。出場できたとしてチームの勝利に貢献できるのか。注目だ。(C)Getty Images

 今シーズン後半のチャンピオンズ・リーグでお馴染みとなったシーンがある。

 ガレス・ベイルが試合開始前、うなだれるように頭を下げながらピッチに現われ、ベンチに腰を下ろす場面だ。その苦悩の表情を捉えるべく、ベイルの周辺には多くのカメラマンが集まる。同様のシーンは、決勝トーナメント1回戦のパリ・サンジェルマン戦、準々決勝のユベントス戦、準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦でも繰り返された。

 パリSG戦の第1レグにおけるジネディーヌ・ジダン監督のスタメン発表を境に、ベイルのマドリーにおける状況は一変した。2013年9月のマドリー入団以来初めて、万全のコンディションでありながらもスタメンから外されたのだ。

 そしてもうひとつ、今シーズン終盤のCLでお馴染みになったシーンがある。本拠地サンチャゴ・ベルナベウで自軍のファンからブーイングを浴びせられる中、カリム・ベンゼマがピッチを後にする場面だ。
 
 これらふたつのシーンは、数年前まで絶対的な存在として君臨していた「BBC」(ベイル、ベンゼマ、C・ロナウドの3トップ)の凋落を象徴する出来事として位置付けられる。

 しかも、そのステータス低下に比例して、ふたりの進退問題の報道が盛り上がりを見せており、今夜のリバプールとの決勝は、ベイル、ベンゼマの両者にとって、マドリー残留を賭けた「最終審判」の場と言っても過言ではない。

 彼らのチーム内における状況の変化は、ここ数か月のジダン監督の発言でも明らかだ。就任以来、BBCを徹底擁護していた指揮官だが、数か月前からその発言のトーンが明らかに変わったのだ。イスコのレギュラー定着とマルコ・アセンシオ、ルーカス・バスケスの急台頭が背景にあるのは言うまでもない。

「ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ(ロナウド)の3人は抜きん出た存在だ。その実力はこれまでの試合で何度も示してきた。ただ同時に、私は自分の言葉に責任を持って行動しなければならない。それが監督として課された務めでもある」

 リバプール戦でのBBCの起用の可能性を問われると、ジダン監督はこう答えている。
 

次ページベンゼマが輝いたのはほんの一瞬だけ。

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