【横浜】渾身のヘディング弾に喜田拓也の並々ならぬ決意を見た――

2018年05月06日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

完敗した磐田戦後、二度、口にした“勇気と自信”

両足首の負傷で戦列を離れていた喜田(5番)は、前節・磐田戦で復帰を果たすも、チームは完敗。生え抜きの23歳は悔しさを滲ませていた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ13節]名古屋1-1横浜/5月5日/豊田ス
 
 まるでストライカーのようなダイビングヘッドだった。
 
 13節・名古屋戦、26分、アウェーの横浜が先制点を挙げる。山中亮輔が相手ゴール前にふわりとしたクロスを上げると、喜田拓也がふたりのDFの間を縫って身体を投げ出し、渾身のヘディングシュートをねじ込んでみせた。
 
 嬉しい今季初ゴールは、5-1で完勝した2016年4月16日のアウェー磐田戦以来の得点である。もっとも、その後は名古屋に1点を返されてドロー決着に。逃げ切れなかったものの、喜田の一発がなければ勝点1さえ掴めなかったかもしれないと考えれば、貴重な働きだったのは間違いない。
 
 この名古屋戦で、喜田は久々にスターティングメンバーに名を連ねる。C大阪との開幕戦(1-1)、続く柏戦(0-2)もアンカーのレギュラーとして先発フル出場するが、3月に両足首を痛めてしまう。しばらくピッチから遠ざかり、前節・磐田戦でベンチ入りすると、途中出場からようやく復帰を果たしていた。
 
 喜田が懸命なリハビリに取り組んでいる間、チームは不安定な戦いを続けていた。「ハイライン&ハイプレッシャー」を合言葉に、今季から取り組むアタッキングフットボールは攻守にアグレッシブなプレーを見せるも、思うように結果に結びつけられていない。
 
 4節・浦和戦(1-0)で今季初勝利、5節・清水戦(1-0)で連勝するも、以後は5試合白星なし(2分3敗)。11節・鹿島戦(3-0)で約1か月ぶりの勝点3を掴んだが、喜田の復帰戦となった磐田戦は1-3の完敗と、チームは流れに乗れずにいた。
 
 その磐田戦の後、喜田はリスクを伴うスタイルを遂行するために"勇気と自信"というフレーズを二度、口にし、それが「必要になってくると思う」「すごく大事」と強調した。
 
 ただ、喜田も理想だけを追い求めるピュアなロマンティストではない。「なかなか結果につながらないもどかしさが今はある」と苦しい胸の内を明かし、厳しい表情を見せる。
 
「いつまでも、良いサッカーをしているからとか、面白いサッカーをしているからっていうだけでは、結果も出せない」

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