【セルジオ越後】会見でハリルは何を語るのか?泥沼の状態を早く解決してもらいたい

2018年04月26日 サッカーダイジェスト編集部

このまま対立が続いてもメリットはない

再来日したハリルホジッチ監督。4月27日に会見を行なう予定だ。(C)SOCCER DIGEST

 先日、日本代表監督を解任されたハリルホジッチが再来日した。空港では取材に応じ、「私をゴミ箱に捨てたような状態」と日本サッカー協会への不満を吐露。通訳が号泣するなど、異様な光景だった。

 通訳があそこまで泣くとは予想外だったけど、思うところがあったのだろう。ハリルホジッチも「私の誇りを傷つけるようなところとは戦わなければいけない」とコメントしていた。

 監督の進退問題で、これほど揉めるのは日本では珍しいのではないか。その一因には解任の理由が明確でなかったことが挙げられる。

 田嶋会長は「監督と選手のコミュニケーション、信頼関係が薄れてきた」「ワールドカップで勝つ確率を1パーセントでも上げるため」と語っていたが、どれも少しあやふやな理由だった。ハリルホジッチにしてみれば、「なぜ?」となったはずだ。

 本来は拙いパフォーマンスで敗れたウクライナ戦の直後に通告すれば良かったはず。ワールドカップまでの期間は限られていたけど、成績不振で監督を代えるのは当たり前だからね。ただ田嶋会長は日本に戻り、様々な人物に相談をしてから決断したという。僕は以前から監督交代には賛成だったが、ハリルホジッチとしてはこの空白の13日間に何があったのか疑問に感じているはずだ。
 
 ただ、このままハリルホジッチと協会の対立が続いてもメリットは生まれない。ワールドカップまで2か月を切ったし、今は一致団結して難局を乗り越えるしかないんだ。

 だから4月27日の会見でハリルホジッチが何を語るかには注目している。ここで再び協会を批判すれば、火に油を注ぐことになる。会見の前には両者が話し合いの場を持つというが、解決策を見つけてもらいたい。

 もっとも両者の間でどんな話し合いが行なわれたのかは明示してもほしい。何も明かされないまま事態が収束すれば、今度は周囲の人々が納得できないだろう。
 

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