あの悪夢から1年…ドルトムント香川真司が恐怖体験を振り返る「眠れない日々が続いた」

2018年04月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

地方裁判所の証人台に立ち、その胸中を…

先週末のレバークーゼン戦ではピッチに降り、ファンの前で元気な姿を披露した香川。日曜日のブレーメン戦で実戦復帰なるか。(C)Getty Images

 忌まわしい事件から、1年の歳月が流れた。2017年4月11日、ボルシア・ドルトムントのチームバスを狙った、あの爆破事件である。
 
 2016-17シーズンのチャンピオンズ・リーグ準々決勝、ASモナコ戦。その第1レグを前に、ドルトムントのチームバスは本拠地シグナル・イドゥナ・パルクに向けて滞在先のホテルを出発した。その直後だ。バス周辺で3度の爆発が起こったのである。リモート操作で仕掛けられたパイプ爆弾によって後部座席のガラス窓は大破し、DFマルク・バルトラ(現・ベティス)が手首を骨折するなど複数の負傷者が出た
 
 衝撃のニュースは世界中に打電され、戦慄が走った。当初はイスラム過激派によるテロの可能性が模索されたが、のちに当局はドイツ人投資家による単独の犯行と断定。その理由がドルトムントの株価を下げることで収益を得るためだったというのだから、呆れてモノが言えない。

 
 裁判は現在も継続中で、来る4月25日、当時バス車内で事件に遭遇した選手たちが証人として出廷した。ヌリ・シャヒン、ユリアン・ヴァイグルらを連れ添ってドルトムント地方裁判所に現われたのが、怪我からの早期復帰が待望される日本代表MF、香川真司である。
 
 全国紙『Rheinische Post』をはじめ、複数のドイツ・メディアが"悪夢"を振り返るその声を伝えている。
 
「(バルトラが)大声を出しているのが聞こえて顔を見たら、真っ青だったのを覚えています。あれからの1~2週間、眠れない日々が続きましたし、すごく難しい時間でしたね。家にいても車を運転していても、そしてバスで移動するときも、つねに恐怖を感じていたところがあります。さすがにいまはもう、考えなくなりましたが」
 
 少なからずショックを受けていたことが窺い知れる。
 
 ドルトムントの選手たちは次から次へと証人台に立ち、シャヒンは「あんなことが起きて折り合いを付けるのが大変だった」と回顧し、「ひょっとしたら自分の人生が大きく変わっていたかもしれないと思うと、いまも穏やかではいられない。生涯忘れることはないだろう」と語りかけた。

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