【CL リバプール×ローマ|採点&寸評】古巣相手に2ゴール・2アシスト! MOMは文句なしでサラーに

2018年04月25日 内藤秀明・井川洋一

リバプール――カウンターの威力はワールドクラス。

【警告】リバプール=アレクサンダー・アーノルド(39分)、ロブレン(74分)、ミルナー(85分) ローマ=ファン・ジェズス(26分)、ファシオ(88分)
【退場】リバプール=なし ローマ=なし
【MAN OF THE MATCH】サラー(リバプール)

[チャンピオンズ・リーグ 準決勝第1レグ]リバプール 5-2 ローマ/4月24日/アンフィールド

【リバプール|採点・寸評】
チーム 7

シーズンを通しての継続力はともかくとして、大一番で見せるハイプレスからのカウンターの威力はやはりワールドクラス。この大舞台で、その事実を改めて証明してみせた。豊富な運動量で粘り強くボールホルダーに食らいつく中盤と、一瞬でマーカーとの距離を詰める世界最高クラスのスプリント力を持った前線による「外から中へ追い込むハイプレス」は、ローマの選手たちを文字通り震え上がらせた。期待の3トップもコンディションは良好で、ボール奪取後のカウンターの切れ味は抜群。もっとも、5-0と大きく突き放しておきながら、そのまま試合を終わらせられないのがリバプールの悪い癖でもあるのだが。

[GK]
1 ロリス・カリウス 5.5

18分のコラロフの無回転シュートを弾き損ねるなど、やや怪しいセービングも。81分の失点シーンは、前提としてDFのほうが責任のウェイトは重いが、このドイツ人GKの対応も完璧ではなかった。ゼコは完璧な胸トラップからシュートモーションに入っていて、間に合わない可能性が高いにもかかわらず、止まり切れず足から飛び込んでしまった。距離を詰めたあと一度止まり、高い姿勢を保った状態で身体のどこかに当てる守り方を選択したほうがベターだった。

[DF]
4 フィルジル・ファン・ダイク 6.5

安定感はさすがのひと言。見事に最終ラインを統率し、対人戦ではほぼ負けなし。組み立てでも相手のプレスに焦らずシンプルにさばき、勝利に貢献した。

6 デヤン・ロブレン 5
相手の浮き球を跳ね返しつつ、攻撃ではサラーに対して絶妙なフィードを供給し、攻撃の起点になる場面もあった。ただしゼコにゴールを許した81分のシーンでは、動き出しが遅れて目測を誤り、クロスを後逸。このレベルの試合ではありえないミスだった。

12 トレント・アレクサンダー・アーノルド 5.5
集中して守りつつ果敢にシュートも狙うなど、全体的には悪くない印象だったが、まだ19歳、自身初のCL準決勝をノーミスで終えるのはやはり難しかった。39分にはなんでもないシーンで無理に突っ込み、イエローを提示され、81分の失点の場面ではカバーリングのポジショニングに移動せず、ゼコのシュートの傍観者と化していた。

26 アンドリュー・ロバートソン 6.5
左サイドで上下動を繰り返し、効果的なクロスを何本も供給。対人戦でも決定的なミスはなく、昨夏にチャンピオンシップ(2部)に降格したハルから移籍した選手ではあるが、CLでも十分に活躍できるレベルの選手であることを証明した。
 
[MF]
7 ジェームズ・ミルナー 6

決定的な仕事をすることはなかったが、攻守にハードワークを披露。最終ラインから最前線まで、右サイドから左サイドまで、まさしく縦横無尽にピッチを走り続け、チームの5点目をコーナーキックからアシスト。ただし、ハンドでPKを献上してしまったのは痛恨のミス。ボックス内でシュートブロックにいく際は、手を後ろに回すなどのハンド対策を取るべきだった。

14 ジョーダン・ヘンダーソン 6.5
相手のエース、ゼコへの縦パスのコースをつねに消しつつ、空いたスペースのカバーも完遂。守備面で大きく貢献した。

21 アレックス・オクスレイド・チェンバレン 5(18分OUT)
シュートを枠内に飛ばすシーンもあったが、負傷により前半途中に交代。決定的な仕事はできなかった。

次ページリバプール――嫌な雰囲気を断ち切ったサラー。

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