浦和のオリヴェイラ新監督が早速見せた"カラー" 挨拶代わりの"洗礼"に槙野や宇賀神、荻原は…

2018年04月24日 飯尾篤史

初日のミーティングで選手たちを奮い立たせた

就任初日のトレーニングは大槻コーチに任せたが、ミーティングでは選手たちに熱い言葉をかけたようだ。写真:飯尾篤史(スポーツライター)

 オズワルド・オリヴェイラ新監督が浦和レッズのクラブハウスから姿を現すと、練習場に集まったサポーターから一斉に拍手が浴びせられた。
 
 2007~2011年まで指揮を執った鹿島アントラーズ時代と比べ、お腹周りが大きくなっただろうか。相変わらず、貫禄は充分だ。隣には、先日まで日本代表の通訳を務めていた羽生直行新通訳の姿もある。
 
 就任初日となった4月22日のトレーニングでは、ヘッドコーチに就任した大槻毅前監督に指導を任せ、自身はトレーニング風景を見守るだけ。しかし、新監督の"カラー"をまったく覗かせなかったわけではない。
 
「まずは挨拶を、っていうことだったのに30分くらい話しましたから、それだけ話すことが好きな方なんだなって」
 
 槙野智章は笑った。ミーティングの長さと濃さは鹿島時代から有名で、モチベーターとしての手腕には定評があった。この日もさっそく選手たちを奮い立たせている。
 
「『絶対にタイトルを獲るんだという強い気持ちを持って、全員が自分を信じて戦ってくれ』と言われた。その覚悟を感じたし、浦和レッズというクラブで戦うことの重要さを再確認させられたミーティングだったと思います」
 
 そう明かしたのは宇賀神友弥である。また、ルーキーの荻原拓也もこう語る。
 
「『このチームで、すべてを犠牲にしてもタイトルを獲りたい』という言葉が一番印象に残りました。自分もそのピッチに立って躍動したいと思いました」
 
 リーグタイトルの獲得――。
 選手の前で宣言したように、それこそが、新監督に託されたミッションである。中村修三GMも「『リーグ優勝、ACL出場権獲得を一緒に目指せますか』と訊ねたら『やれます』という強い言葉をいただきました」と明かしている。
 
 当初、新監督にまず求められたのは、チーム再建のはずだった。しかし、2分3敗という状況で暫定監督に就任した大槻前監督の巧みなマネジメントのおかげで3勝1分の成績を挙げ、現在9位と、巻き返しを可能とする順位まで盛り返した。
 
 この良い流れを引き継ぎながら、いかに自分のカラーを加えていくか。
 
 それゆえ、新指揮官も「少なくともワールドカップによる中断までは、今のやり方に継続性を持たせることが重要だと思っている」と語っている。鹿島時代は4バックを採用し、「それが私の好む形だ」とも明かしたが、「まずは今までプレーしてきた3バックを継続していきたいと思っている」と、継続性を強調した。
 

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