【横浜】試合を支配しながら痛恨の逆転負け――先制後の10分間に何があったのか

2018年04月16日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

幸先良くリードを奪うも、あっさりと逆転を許した原因は?

懸命なセービングを見せていたGK飯倉(21番)は、チームの先制後の戦いぶりを「リアクションになってしまっている」と最後尾から見ていた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ8節]横浜1-2神戸/4月15日/日産スタジアム
 
 前半から高いポゼッションで主導権を握り、ゲームを支配した。いくつかの決定機を作りながらスコアレスで折り返したが、後半も横浜ペースは変わらない。58分にはGK飯倉大樹の短いフィードからダビド・バブンスキーが持ち上がり、左サイドの天野純を経由して、最後はカメルーン代表の新戦力オリヴィエ・ブマルの来日初ゴールで先制に成功した。
 
 だが、横浜はその後、2失点を許し、逆転負けを喫している。相手を圧倒したうえで先制点を奪う展開であれば、そのまま2点、3点を加えてもよかったはずが、試合をひっくり返されている。ピッチ上でいったい何があったのか。
 
 ブマルのゴールをお膳立てした天野はこう振り返る。
 
「1点を取った後、"フワッ"とした感じがあった。そこで追加点を取るぞっていう意思統一ができていれば……。ちょっと消極的になって、キープしようとしたり、前に出せるのに出さなかったり、それで判断も遅れて、後ろ向きのプレーが増えてしまった。もう少しポジティブにプレーできればよかった」
 
 最後尾からチームの戦いぶりを見ていた飯倉の見解はこうだ。
 
「後半、点が入った後の自分たちのサッカーが、どうしてもアクションではなくて、ちょっとリアクションになってしまっている。それは広島戦(前節/1-3の逆転負け)もそう。そこが問題だと思う。点を取りに行こうとはしているのかもしれないけど、あまりそれがはっきりとは感じられないというか。少し緩くなっているのかな、と」
 
 ふたりとも同じような感想を抱いている。スコアを動かすまでは"イケイケ"のサッカーを見せるが、先制した後は「消極的」になり「リアクション」になってしまう。
 
 その隙を、神戸に突かれてしまった。ブマルの得点からちょうど10分後の68分、右サイドを崩されて失点。それなりに手数をかけて相手ゴールをこじ開け、リードを得たが、それゆえ「あっさりと点を取られてしまうと、チームとして精神的にもテンションがガタっと落ちて、バタバタしてしまう」(中澤佑二)。うまく修正できないうちに2点目を奪われ、その後の反撃も実らず、痛恨の逆転負けを喫した。

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