宇佐美貴史はハリル解任になにを想う? そして恩師である新指揮官との再会には…

2018年04月12日 了戒美子

「ニュースに関しては僕も驚きましたけど…」

日本代表の政権交代にも、努めてクールに前方だけを見据える宇佐美。自身初のW杯出場を手繰り寄せるか。(C)Getty Images

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任発表から3日が経った。
 
 皮肉なことにハリルホジッチが率いたこの数年間でもっとも、メディア的には活況を呈しているのではないか。解任の真相を探る情報に関しては憶測の域を出ないものから、取材に基づいたものまで、質を問わずたくさんのニュースが流れてくる。また、その後のハリルホジッチのリアクションに関しても、海外メディアの報道を引用して「ハリルは訴訟の準備をしている」とするものもある。前日本代表指揮官が自宅前で感情的に話す映像を見た方も多いのではないか。とはいえ、その怒りを真に受ける必要もないだろう。
 
 例えば、フォルトゥナ・デュッセルドルフの宇佐美貴史はこう言う。
 
「(解任の)ニュースに関しては僕も驚きましたけど、急に監督が代わるのはよくあることですし。ドイツのクラブで年に4人監督が代わったことも経験してますし、そういう意味では監督が代わること自体に関してはある種、慣れっこです」
 
 ドイツに限らず世界中で、もちろんJリーグにおいても、勝てなければ監督交代の憂き目に遭うのは当然。たとえ結果を残していても、クラブと方針が合わなければ、指揮官のほうから別れを告げる場合も珍しくはない。いちいち驚いたり怒ったりしていては、自分のサッカー人生の貴重な時間が失なわれてしまうというものだ。

 
 ちなみに、宇佐美が話した「1シーズン4人の交代」とは2012-13シーズン、ホッフェンハム時代のこと。マルクス・バッベル監督でスタートし、フランク・クラマー、マルコ・クルツ、そしてマルクス・ギズドルと代わり、宇佐美自身も難しい時期を過ごした。このシーズンの終盤は第28節以降、ベンチにさえ入れず、ガンバへの出戻りを余儀なくされたのだ。ホッフェンハイムは4人も指揮官を取っ替え引っ替えした賜物か、16位でシーズンを終えて入れ替えプレーオフに進み、なんとか残留を決めている。

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