【岩本輝雄の場外乱闘レビュー】川崎のパスサッカーに“あの選手”はハマるのか!?

2018年04月11日 連載・コラム

前半はサイドの攻防が興味深かった

マリノスとフロンターレが激突した神奈川ダービーは、見どころ満載で最後まで目が離せなかった。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ6節]横浜1-1川崎/4月8日/日産スタジアム

 今季は攻撃的なサッカーに取り組んでいるマリノスが、昨季のリーグチャンピオンのフロンターレ相手にどれだけ戦えるか。神奈川県内のライバル同士の好カードは、1-1の引き分けに終わった。
 
 前半はサイドの攻防が興味深かった。両SBが中に絞ってくるマリノスに対し、たいていの相手はサイドハーフがそこについていくけど、そうするとサイドにスペースができて、マリノスのウイング、ブマルやユン・イルロクに起点を作られて、攻撃を受ける。
 
 でも、フロンターレは違った。マリノスの両SBが中に入ってきても、サイドの選手は外に開いたままでブロックを組み、ボランチの大島やネットが真ん中で対応していた。
 
 この守り方が上手くハマったね。マリノスが思うようにサイドから仕掛けられずにいると、フロンターレのパスサッカーが勢いを増す。特に20分から25分ぐらいまでは、いつ点が入ってもおかしくない展開だった。
 
 攻撃センスのあるSBの車屋も果敢に攻め上がる。でも、同サイドにいたマリノスのブマルは、そこまで下がらなかったのも印象的だった。おそらくは、高い位置を取ることで相手の攻撃をけん制したかったんだと思う。
 
 ただ、フロンターレには憲剛や大島ら優れたパサーがいるから、かなり高い確率で前に出た車屋にボールが届いて、そこから面白いようにチャンスを作っていた。
 
 もっとも、フロンターレは多くの決定機に恵まれたにもかかわらず、前半は決め切ることができなかった。後半に入って家長が先制ゴールを挙げたけど、点差はまだ1点。マリノスには余力が残っていたし、実際、中澤のヘッドで同点に追いつき、後半の途中から盛り返していったよね。
 
 なかでも僕が注目していたのは、大津。レイソル時代よりも身体が軽いというか、キレがある。ボールを受けるポジションも良くて、味方からのパスを上手く引き出しながら、攻撃のリズムを作っていた。
 
 開幕前の怪我で出遅れて、連係面でまだまだ課題があるようだけど、何よりも"動けている"のはデカい。怪我さえなければ、今季はかなり警戒される存在になりそうだね。
 
 それから、山中も良いよね。クロスの質が高くて、スピードもある。そして、あの細かいステップ。独特のテンポでボールを小刻みに動かして、自分の間合いを作り、緩急をつけながら縦にも突破できるし、カットインもできる。あのステップを踏める選手はなかなかいないと思うよ。

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