決勝弾の佐々木翔が楽しかったのは“久々のマッチアップ”「アイツにはやられたくない」

2018年04月09日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「一応、しっかりとした先輩でいたいので」

決勝点を挙げた佐々木は、ある選手とのマッチアップが楽しかったと言う。写真:田中研治

[J1リーグ6節]柏 0-1 広島/4月8日/三協F柏
 
「珍しいですね、僕にこの人数は」
 
 詰めかけた報道陣に、佐々木翔はそう言って笑った。たしかに、攻撃志向が強くない左サイドバックは、普段あまり注目されない。だが17分、右サイドからのクロスが流れたボールを拾い、冷静なシュートを叩き込んで決勝点を決め、この日はヒーローになった。
 
 佐々木はここ2年、2度の右膝前十字靭帯断裂で長期離脱をしていたが、今季は完全復活をして開幕から左サイドバックで先発を続けている。約2年間、戦列を離れていた後の今季初ゴールは嬉しいだろうが、実はこのゲームで楽しかったことが他にあったと言う。
「後半はちょっとやられましたけど、久々にマッチアップができて楽しかったですね」
 
「アイツ」とは、柏の右サイドハーフでフル出場した伊東純也だ。神奈川大でのチームメイトであり、佐々木(28歳)が先輩、伊東(25歳)が後輩にあたる。そのうえで、やはり気合は入ったようだ。
 
「アイツにやられたくない気持ちは人一倍ある。一応、しっかりとした先輩でいたいので」
 
 自身も認めるように後半は伊東に突破を許した場面もあったため、マッチアップに勝ったとは言えないだろう。とはいえ、結果だけを見れば、後輩はノーゴール、先輩は決勝弾と面目を保てたと言えるかもしれない。
 
 勝敗には関係なく、「アイツは凄く良い選手なので、僕も負けずにこれからも頑張りたい」と言う佐々木。この刺激を機に、さらなる高みを目指したい。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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