【現地発】日本人所属3チームの現状と今後は!? 佳境を迎えるブンデス残留争いを展望

2018年04月07日 中野吉之伴

振れ幅の大きなケルンの攻撃的サッカー

ヴォルフスブルク(左上)、マインツ(右上)、ケルン(左下)、ハンブルク(右下)の明暗はどのように分かれるのか!? (C) Getty Images

 ブンデスリーガも残すところあと6節。タイトル争いでは、首位を独走するバイエルンの優勝が目前である一方で、残留争いはまだまだ、様々な展開がありえそうだ。
 
 現時点で危険なゾーンにいるのは、15位ヴォルフスブルク、16位マインツ、17位ケルン、そして最下位ハンブルクだ。どこもポジティブなものより、ネガティブなニュースの方が多い。
 ヴォルフスブルクは、アドリアン・ヨンカーの後を継いだマルティン・シュミットが、就任からわずか154日で辞任を表明。クラブ首脳陣は慰留に努めたが、「チームへ自分の声が届かなくなった」と感じていた本人の意志は固かった。
 
 チームマネジャーのオラフ・レッベは、「彼は、自分が身を引くことで、チームが新しい監督の下で可能な限り早く、残留を確定させる道を望んだ。残留という目標を彼とともに成し遂げたかったが、その決断を覆させることができなかった」とコメントしていた。
 
 後任のブルーノ・ラッバディアは、選手のモチベーションを高めるのに長けた監督。何とかチームに新しい刺激をもたらそうと取り組んでいるが、まだ具体的なものは見えてきていない。
 
 就任からの5試合で2分け3敗と、なかなか浮上のきっかけを掴むことができないでいるヴォルフスブルク。32節にハンブルク、最終節にはケルンとの直接対決があるが、追われる立場のヴォルフスブルクの方が、受けるプレッシャーは大きい。
 
 前半戦はずっと最下位に低迷していたケルンは、早々に「2部降格当確」という扱いを受けていたが、そんな絶望的な状況から、少なからず希望が持てるところまで浮上してきたことは素晴らしい。
 
 後半戦に入って11試合で17得点と、攻撃が好調なのは大きい。シュテファン・ルーテンベック監督が志向する積極的な攻撃サッカーは、その勇気がうまく反映された27節のレバークーゼン戦では、チャンピオンズ・リーグ出場権を争っている相手を押し込み、ケルンは2-0の勝利を飾った。
 
 だが、次のホッフェンハイムとのアウェーマッチでは、相手の素早い攻撃に翻弄され続け6失点の完敗……。振れ幅が大きいのは確かである。
 
「情けないことだ。ここまで来てくれたファンには、お金を返してあげないといけない。今日のようなパフォーマンスでは、残留なんてできない 」と、ホッフェンハイム戦後にGKティモ・ホルンは落胆のコメントを発したが、それでも以下のように語りながら、気持ちを切り替えて前を向こうとしていた。
 
「僕らは、これまでも厳しい状況に追い込まれながら、そこから這い上がってきた。次の試合でも、その姿を見せられるようにしたい」
 
 ルーテンベック監督も、「ホッフェンハイム戦での自分たちへの怒りを、ポジティブな力に変えなければならない」と、選手の発奮に期待している。今節のマインツ戦の結果が非常に重要なのは、言うまでもない。

次ページ絶望的とされるハンブルクですらひとつの勝利で…

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