英サッカー専門誌の熟練記者が日本代表を斬る!「世界のトップ500に入る選手でさえ…」

2018年04月03日 マイケル・プラストウ

FIFAランキングの順位通りで、相対的にレベルが低い

ベルギー遠征の2連戦ではとりわけ守備に綻びが見られた。プラストウ記者は「相互理解の問題」と指摘する。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 世界のサッカーが日々進化を続けているなか、昨今のアジアサッカーの成長はそれに比べて、かなり緩やかな印象を受ける。
 
 最新のFIFAランキングを見ると、アジアは世界のトップ50にわずか2チームしか送り込んでいない。イランとオーストラリアだ。アジアトップのイランでさえ33番目なのだから、このランキングだけでもし出場国を決めるなら、アジアからロシア・ワールドカップに参加できるチームはゼロということになる。ちなみに日本は55位。ワールドカップに2部リーグがあれば、そこにはなんとか食い込める順位だ。2011年のランキングでは19位だったのに……。

 よって、そもそも現在のアジア代表国は力量からして厳しい。そのなかで、今回の日本代表にどのような期待が持てるのか。直近の親善試合を見ても、日本が世界のトップレベルに達していないのは明らかだ。つまりはFIFAランキングの順位通りで、相対的にレベルが低い。

 
 E-1東アジア選手権を除いて、昨年11月から日本代表はワールドカップを見据え、ブラジル、ベルギー、マリ、ウクライナと4つのテストマッチを戦った。結果はご存知の通り、1分け3敗である。ブラジル戦は圧倒的に攻め込まれ、ベルギー戦ではまだ見るべき点が多少あったものの、勝てる見通しなど皆無だった。2002年の日韓ワールドカップで両国は互角の内容で2-2のドローを演じたが、それも遠い昔の話。あれから歳月が流れ、いまや埋めようのない差が開いてしまった。そして、今回の2連戦だ。マリ戦は三竿健斗と中島翔哉の閃きでなんとかドローに持ち込んだが、ウクライナ戦と同様、内容的には完敗だった。
 
 日本代表の選手たちは誰もが素晴らしい技術を持っているが、ワールドクラスと呼べるタレントはひとりもいない。世界トップ50はもちろん、トップ500に入る選手でさえ怪しい。香川真司と岡崎慎司はトップ500にエントリーできるかもしれないが、他の選手は難しいだろう。
 
 ワールドカップ本大会で対峙するコロンビアにはハメス・ロドリゲスやラダメル・ファルカオが、セネガルにはサディオ・マネが、そしてポーランドにはロベルト・レバンドフスキがいるが、日本には残念ながらそうした世界的な選手がいない。これは誰のせいでもないが、ぐいぐいと牽引する象徴的な選手がいなければ、チーム全体のレベルが上がってこないのは必然だ。ワールドカップに向けて大きな期待も持てない。

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