東京五輪世代、アピール度チェック!森保ジャパンの南米遠征で存在感を見せたのは…

2018年04月02日 川端暁彦

GKでは海外組の山口瑠伊がPK戦で躍動するなど猛烈に存在をアピール!

パラグアイの国際大会に参加したU-21日本代表。南米の強国を相手に1PK勝ち2敗で帰国の途に着いた。写真:川端暁彦

 3月19日から28日まで行なわれたU-21日本代表、森保ジャパンの南米遠征は、チリに敗れ、ベネズエラにPK勝ち、パラグアイに敗戦という流れで幕を閉じた。もっとも、チーム結成からまだ半年も経ておらず、メンバーも流動的、本番の東京五輪まで2年以上あるというこの段階での「試合結果」自体にそこまでシリアスな意味はない。

 もちろん、日本代表のユニホームを着たチームが負けていいというわけでは決してないが、あくまで最終的な成功を掴むための準備段階であることも確かだ。ここは新たに発掘された戦力を含めて、南米遠征の個別的な成果を、ポジション別に分けて初招集の選手中心に振り返ってみたい。
 

【GK】 

 過去2回の招集を含めて毎回3名が招集されてきた森保ジャパンだが、ひとつ特徴的なのは3名中2名が起用され続けていること。それも第1GK格の選手が2試合以上、第2GK格が1試合、第3GKは出場なしという形で固定されている。

 フィールドプレーヤーに関しては比較的満遍なく起用する森保一監督だが、GKに関しては序列を重んじる起用法で、これは手倉森誠前監督にも共通する手法だ。
 
 今回の南米遠征では昨年のU-20W杯でも正GKを務めた小島亨介(早稲田大学)が1、3試合目に先発出場。落ち着きのあるセービングに加え、GKのビルドアップ参加を強く求めているこのチームにあって、足技の信頼感が最もある彼がNo.1の評価を受けているのは自然なことでもある。
 
 また、この遠征では国際Aマッチウィークを利用して初参加となった海外組の山口瑠伊(エストレマドゥーラ/スペイン)が第2戦で先発フル出場。「ビルドアップは大事だけれど、海外のクラブでまず言われるのは『シュートを止めろ』ということ。GKはそこが大事だし、そこで勝負したい」と強気に語る男は、招集機会が限られるだけに練習から猛アピール。第2戦は3失点を喫したものの、試合の流れをたぐり寄せるビッグセーブも見せ、PK戦では2本をストップ。能力の高さをしっかり見せた。
 
 一方、中国大会では2番手だった波多野豪(FC東京)は山口の合流で3番手扱いを受けることとなった。なかなかJリーグで出場機会を得ている選手がいないこともあり、このポジションについてはまだまだ流動的な要素がありそうだ。

次ページ3バックでは初招集となった中山雄太、杉岡大暉のJ1組が存在感を発揮。

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