二川孝広が栃木SCへ決意の移籍!「オグリ&フタ」の黄金コンビが12年半ぶりに復活!

2018年03月29日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

37歳のプレーメーカーが苦渋の決断

2005年シーズン以来、およそ12年半ぶりのコンビ復活となる二川(右)と大黒(左)。守備者を震え上がらせたホットラインを炸裂させるか。(C)SOCCER DIGEST

 Jリーグの選手登録期限が2日後に迫る3月29日、栃木SCが新加入選手を発表した。東京ヴェルディのMF二川孝広だ。ガンバ大阪からのレンタル契約3年目だったが、今回は今季終了までヴェルディから貸し出されることになる。
 
 37歳のプレーメーカーにとっては苦渋の決断だった。昨季から指揮を執るスペイン人指揮官、ミゲル・アンヘル・ロティーナの下では、ほとんど出場機会を得られないまま。その右腕を務めるイバン・パランカコーチは「フタガワのMFとしての総合値は素晴らしい。でも戦術的な理由と他の選手の個性との兼ね合いで、なかなかチャンスを与えられないでいる」と話していた。

 
 今季もヴェルディの中盤は、アンカー1枚にインサイドハーフが2枚。二川は後者での出場を目ざしていたが、求められるのは機動力と局面打開力だ。目下売り出し中の若きデュオ、井上潮音&渡辺晧太が幅を利かせ、元気印・梶川諒太や新加入の佐藤優平も控える。今季の開幕6試合で、ベンチ入りさえ果たせないでいた。

 
 そんなタイミングで舞い込んできたのが、栃木からのオファーだ。二川はこう話した。
 
「もちろん試合に出たい気持ちは強いし、それは去年からずっと変わらないです。そんななかで必要としてくれるクラブがあった。ありがたい限りです」
 
 相変わらず口数は少ない。だが、トーンは珍しく高めだ。
 
 決め手となった要因のひとつが、ガンバユース時代からの旧友で現在栃木でプレーする大黒将志の存在だろう。移籍決定前には当然相談し、「また一緒にやろう」と声を掛けてくれたという。
 
 まさに阿吽の呼吸でゴールを陥落する名コンビだった。天才的な動き出しで裏のスペースに抜け出す大黒に、精緻なピンポイントパスを供給する二川。「オグリ&フタ」のホットラインは西野朗体制のガンバに欠かせない武器となり、2005年にガンバがJ1を初制覇した際は猛威を振るった。
 
 当時、サッカーダイジェストの対談で大黒は「なんも言わんでも僕の位置と動きを常に見てくれてる。フタは欲しい時に最高のパスを出してくれるんですよ。普段はほとんど会話はしませんけどね(笑)」と相棒を評していた。大黒はその年の暮れにガンバを去り、グルノーブルへ移籍。それ以来だから、およそ12年半ぶりのコンビ復活となる。

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