杉本健勇が明かすゴール急増のワケ。試合前に「ラグビーの動画をよく観る」のはなぜ?

2018年03月30日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

今は『取られてもまた取り返せばいい』と開き直れている。

インタビューは3月5日に実施。今季に懸ける想いを熱く語ってくれた。写真:川本学

 昨季はキャリアハイの22ゴールを挙げながらも、最終節で逆転され、得点王を逃した。いま杉本健勇が胸に抱くのは、強烈なまでの悔しさだ。捲土重来を期すストライカーに今季に懸ける意気込みを訊いた。その言葉から並々ならぬ熱意を感じ取ってほしい。


―――◆―――◆―――
 
――今季初ゴールは、2節の札幌戦(△3-3)でした。7節で1点目をマークした昨季に比べ、良い滑り出しですね。
 
「一昨年も1点目を取るまで結構かかってしまったし、たしかに例年よりはマシかもしれない(編集部・注/2016年は5節の金沢戦でシーズン初ゴールを決めた)。でもまだまだ全然ダメ。札幌戦は結局チームを勝利に導けませんでした。フル出場したからには、もう1点決めなければいけなかった。そういう意味では、物足りない」
 
――横浜とのリーグ開幕戦も追加点をなかなか奪えず、1-1で引き分けました。
 
「そういう試合でいかに勝ち切れるか。うちのチームは、昨季から同点の場面で焦れずに守り切れるようになっている。だからこそ今度は、前線の俺の仕事が重要になってくるわけです」
 
――理想は、結果に直結するゴールを決めること?
 
「そのとおり。先制ゴールも奪え、ジリ貧の状況やビハインドの時には、どんなに泥臭くても最後に仕事をできるストライカーが理想。そういう選手ってひと握りで、世界的に見ても(リオネル・)メッシとかくらいですよね。あんなふうにパワーが落ちないFWになりたい」
 
――そのために必要なことは?
 
「フィニッシュの精度を上げること。これに尽きます。昨季は120本以上シュートを打って、そのうち22本しかゴールに結びつけられなかった(編集部・注/17年シーズンの杉本のシュート数はリーグ2番目の121本)。決定率はものすごく悪いんですよね。試合終盤のミスを減らすことが課題です」
 
――とはいえ、リーグ2位の22得点は素晴らしい数字です。自信もついたのでは?
 
「そうですね。今は良い感覚でやれています。以前は失点がかさむと、へこんでしまってモチベーションが下がることがあった。昨季からは、『取られてもまた取り返せばいい』と開き直れています。それが良い方向に出ているのかなと」

次ページ分析もされるし、より強く潰しに来る。でも逆にそっちの方が燃える。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事