【2014南関東総体】代表校の強さの秘密を探る|岩手・盛岡商

2014年06月04日 小林健志

遠野との伝統校対決を圧巻の内容で制す。

盛岡商の攻撃を引っ張るエースストライカーの根子。全国での活躍も期待されるFWだ。 (C) Takeshi KOBAYASHI

 鋭い縦へのドリブル突破に、粘り強い守備。強い盛岡商が戻ってきた。
 
 決勝は遠野との岩手県伝統校対決。縦への突破を生かした攻撃的なサッカーを信条とする盛岡商と、強固な守備とカウンター攻撃が持ち味の遠野は、長年のライバルだ。昨年は高校総体では準々決勝、選手権では決勝で顔を合わせ、いずれも遠野が勝利した。昨年悔しい経験をした盛岡商としては何としてでも勝利したい一戦だった。
 
 試合は立ち上がりから盛岡商のタレント豊富な攻撃陣が遠野陣内に攻め入り、一方的な展開となった。5分に左サイドで得たフリーキック。キャプテンの右SB澤口貴浩が浮かせたボールを、ボランチの吉田廉がゴール右隅にシュートを決めてあっさりと先制。さらに18分、左サイドハーフの千葉秀平がドリブルで突進すると、相手DFのマークを振り切りそのままゴール。盛岡商らしい得点スタイルだった。
 
 前半を一方的な展開で2-0とリードした盛岡商は、後半何度か遠野にチャンスを作られたものの、CB小澤勇太朗を中心とするDF陣は集中を切らすことなく反撃を封じる。そして58分、ここまでなかなかゴールを決められなかったチームのエースストライカー根子裕将が、吉田からの縦パスを受けて、相手DFを振り切りゴール。エースの一撃で試合の流れは完全に決まった。
 
 圧巻は66分のプレー。ゴール前でFKのチャンスを得ると、数名の選手が縦一列に並んだ。そして、最初の数名はボールを蹴らず、最後に残った根子がFKを遠野ゴールに突き刺し4点目を挙げる。J2の京都が先日成功させ話題になったのと同じパターンのトリッキーなFKを成功させ、観客席の盛岡商の生徒の盛り上がりは最高潮に達した。結局、4-0と点差以上の圧勝で、昨年の雪辱を果たした。

【2014南関東総体photo】岩手・盛岡商
 

次ページ昨季プレミア参入戦の反省から、攻守の課題に取り組む。

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