【日本代表】経験軽視?のハリル。招集メンバーから見えてくる真実

2018年03月18日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

怪我人続出で“苦肉のメンバーリスト”に?

井手口や浅野をこのタイミングで外すとは……。ハリルホジッチ監督は大胆な決断をした。写真:GettyImages

ワールドカップの予備メンバー登録(提出締め切りは5月14日)に向け、最後のテストとなるベルギー遠征。3月15日にメンバーが発表されたが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にとっては"苦肉のメンバーリスト"なのかもしれない。
 
現代表で主力中の主力である吉田麻也(サウサンプトン)をはじめ、香川真司(ドルトムント)、内田篤人(鹿島)、清武弘嗣(C大阪)、今野泰幸(G大阪)など招集候補と目された実力者が次々と怪我に倒れたからだ。しかも、ロシア・ワールドカップの最終予選で活躍した井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)と浅野拓磨(シュツットガルト)がクラブでプレー機会を失い、選外とせざるを得なかったのも誤算だった。
 
 ワールドカップの開幕まで3か月を切ったタイミングでいわゆるベストメンバーを組めなかったが、3月23日に戦うマリを「仮想セネガル」、同27日に対峙するウクライナを「仮想ポーランド」と想定している以上、下手な戦いはできない。実際、指揮官も次のように話す。
 
「セネガルのマネ、ポーランドのレバンドフスキはいませんが、(マリとウクライナには)近い選手はいます。強い気持ち、すなわち本大会を戦うような気持ちで今回のフレンドリーマッチに挑み、勝ちたいです」
 にしては、だ。大胆すぎるメンバー構成と言えなくもない。本田圭佑(パチューカ)、森重真人(FC東京)、宇佐美貴史(デュッセルドルフ)の復帰はそれぞれクラブでの調子を考えれば理解できるが、昨年まで代表チームでSBの貴重なバックアッパーだった酒井高徳(ハンブルク)、攻撃面で違いを出していた乾貴士(エイバル)をここで外す決断は如何なものか。
 
 少し気になるのは、本番想定の連戦で代表キャップ「5」未満の選手が9人(東口順昭=4キャップ、中村航輔=2キャップ、宇賀神友弥=0キャップ、車屋紳太郎=3キャップ、植田直通=2キャップ、森岡亮太=4キャップ、大島僚太=2キャップ、三竿健斗=1キャップ、中島翔哉=0キャップ)も招集されている点だ(招集26人中9人は全体の約35㌫を占める)。この事実から推察できるのは、ハリルホジッチ監督は代表での実戦経験をそこまで重視していないということか。

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