今季は豊作!Jリーグで注目すべき珠玉のルーキー5選

2018年03月14日 佐藤俊

ふたりの高校2年生が別格の輝きを発している

ともに17歳の菅原(左)と中村(右)は、すでにチームに欠かせぬ存在になっている。

 今シーズンはルーキーの活躍が目立つ。
 
 彼らがちょっと違うなと思うのは、徐々にプロの水に慣れさせていくとか、お試しのモラトリアム期間がなく、すでにスタメンで起用され、チームのレギュラーとしてプレーしていることだ。
 
 そのなかで、ふたりの17歳の高校2年生が別格の輝きを発している。
 
 ひとりが、名古屋の菅原由勢だ。
 
 ポジションはセンターバック。一緒に組むホーシャが簡単に入れ替わられたり、守備の粗さが目立つので、余計に菅原の守備力のうまさ、技術の高さが目立つ。ラインコントロールも自らが仕切り、すっかり最終ラインの司令塔だ。
 
 半年前は、名古屋ユースで昇格プレーオフをスタンドから応援していた。今年に入り、風間八宏監督がユースで菅原のプレーを見た瞬間、「うまい。真ん中で使える」と膝を打った。対人の強さ、足下の技術の高さ、ビルドアップの能力に長けていたのだ。菅原は「サイドバックが希望です」と語っていたが、風間監督はすぐにセンターバックとして起用することが閃いたという。
 
 昨年の名古屋は、J2の舞台でワースト6位の65失点を喫した。その守備の修正もあるだろうが、菅原の存在は風間監督が目指すサッカーを確立するために必須なパーツだったのだ。
 いきなり開幕戦のG大阪戦でスタメン起用されると、2失点はしたが勝利に貢献。2戦目の磐田戦は完封勝利、そして3試合目となる湘南戦も無失点に抑え、3試合で2勝1分、好スタートを切ったチームの守備陣を支えている。
 
 話をして感じられるのは、素直さと謙虚さだ。
 
「毎試合、新しい課題が見つかり、それに向き合って一つひとつ直していこうというのが、今の良い結果につながっていると思います」
 
 十分やれているが驕りや慢心はない。
 
 初めてのプロの試合で連戦の疲れもあるはずだが「好きなことをしているのできついとかないです」と笑みを浮かべる。
 
「チームで自分が中心というぐらいの気持ちでやらないといけないと思う」
 
 17歳ながら気持ちも強い。
 
 これから川崎やC大阪、鹿島ら強力な攻撃陣を抱えたチームと対戦し、苦戦したとしても、それを肥やしにしていく貪欲な向上心もある。このまま風間サッカーで磨かれていけば、吉田麻也以来の世界で戦えるセンターバックに成長しそうだ。
 
 もうひとりの17歳が、G大阪の中村敬斗である。
 
 昨年のU-17ワールドカップで久保建英が注目されるなか、チームトップの4点を挙げて一気にその評価を高めた。シュツットガルトの練習に参加し、浦和など複数のクラブが争奪戦を繰り広げるなか、G大阪を選んだ。

次ページ大卒のルーキーとして、一番存在感を放っているのは湘南の松田天馬だろう

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