衝撃2発デビューの荻原拓也とは何者か?柏木陽介も「ハンパない」と認める新人の仰天サクセスストーリー

2018年03月09日 塚越 始

高校2年の冬まで、ユースの公式戦でも先発外。大きく飛躍したのは…

デビュー戦のルヴァンカップ・名古屋戦で2ゴール!底知れぬポテンシャルを示した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 浦和ユースから昇格したルーキー荻原拓也が、ルヴァンカップ開幕の名古屋戦で2ゴールを決めて一躍「ニューヒーロー」として脚光を浴びた。下部組織での主戦場は、左サイドバックだった。ただ、トップチーム合流後は守備の負担を減らし、スピードを生かした思い切ったドリブル突破を最大限に生かすため、4-1-2-3の左ウイングで起用され、堀孝史監督の期待にさっそく応えた。
 
 J1リーグ1節のFC東京戦はベンチ外、同2節の広島戦でベンチ入りし、ルヴァンカップ1節・名古屋戦で先発フル出場&2ゴール――。18歳の新人レフティは開幕からの2週間で一気に突き抜けて行った。
 
 とはいえ、意外かもしれないが、荻原は高校2年の冬まで、ユースの公式戦に先発として、まったく出られずにいたというのだ。
 
「僕は稀なケースなんです。ずっと試合に出られずにいて、この1年で大きく成長できて、やっとプロのスタートラインに立てました」
 転機は2016年12月、浦和ユースが臨んだプレミアリーグ参入戦だった。荻原は4バックの左サイドバックで初めて先発。初戦の帝京長岡戦では2ゴールに絡み4-0の快勝に導いた。そして続くC大阪入りした安藤瑞季を擁する長崎総科大附高との参入決定戦では、1-0の完封勝利に貢献。最初で最後のチャンスという覚悟で臨んだ大舞台で結果を残し、そこから評価を高めてトップチーム昇格への切符を掴み取った。

 浦和の山道守彦強化本部長は荻原について、「左足のキックのスペシャリスト。絶え間なくアップダウンできる運動量を備えたサイドバックを目指してほしい。それにユース日本代表で日の丸を付けていた自覚と誇りを持って取り組んでもらいたい」とトップに引き上げた理由と期待を語っていた。
 
 また、沖縄1次キャンプ中に組まれた1月28日の札幌との練習試合ではハットトリックを達成。新キャプテンに就任した柏木は「荻原の決定力はハンパない。今年は楽しめる」と期待を寄せていた。

次ページ3節・長崎戦でリーグデビューを果たし、初ゴールなるか⁉

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