「ゴールを生み出せ」「早く元のレベルに」 スタメン復帰を狙う柴崎、ヘタフェ監督の要求に応えられるか

2018年03月06日 山本美智子

目に見える結果を残す以外に道はない。

スタメン出場を果たした25節のビジャレアル戦も、柴崎は前半のみで途中交代。ゴールやアシストといった結果が欲しいところだ。(C)Getty Images

 柴崎岳が所属するヘタフェは、リーガ・エスパニョーラで現在9位とまずまずの好位置につけている。ただ27節のレアル・マドリー戦で、その柴崎の名前はスタメンのリストになかった。

 もっとも、ホセ・ボルダラス監督はこの試合、点を取りに行くより中盤を厚くし、失点をしないための策を講じていたため、一概に柴崎のプレーに問題があったとは言い切れない。

 実際、最近のヘタフェは、守備を重視することで結果を出している。セビージャやバルセロナを相手にもアウェーで勝点1を手に入れているように、この「花より実を取る」策が功を奏しているのは間違いないだろう。

 
 地元のファンやメディアの間で、柴崎の評判は悪くない。柴崎がピッチに出るとホームスタジアムは湧き上がるし、そのボールタッチの上手さ、チャンスクリエート、局面で見せる冷静な判断など、攻撃的MFとしての能力の高さについては、地元紙でも往々にして取り上げられるほどだ。

 だれもがその実力を認め、「ヘタフェにとって大切な選手」だと口にする。だが、肝心のボルダラス監督は、いまの柴崎のプレーぶりに満足していない。

 24節のセルタ戦の前に、記者会見で柴崎について訊ねられたボルダラス監督は、こう答えていた。「ゴールを生み出せ、チームを助けろと、口を酸っぱくして言っている。しかし彼は、ゴールチャンスを手にしながらも決められていない。早く元のレベルに戻ることを期待しているし、そうなることを信じている」

 そのセルタ戦からいままでにあった4試合で、柴崎がスタメンに名を連ねたのは、たった一度、ビジャレアルとのアウェー戦のみだ。ディフェンシブなチームが必要としているのは、ゴール前のワンチャンスを確実に決める選手であり、16試合に出場して1ゴール・0アシストと、目に見える結果を出せていない柴崎がスタメン奪取に苦労している理由は、そこにある。

「ガクはまだ負傷前のベストコンディションに戻っていない」

 そうした周囲の認識を変えるためには、結果を残す以外に道はない。リーガは残り11試合。柴﨑は1部リーグのデビューシーズンを、どのような形で終えるのか。鮮烈だったあのバルサ戦(4節)のボレーを忘れさせるような活躍が、いまの彼には求められている。

文●山本美智子(フリーランス)

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