【横浜】ポステコ流で躍動!! “超”攻撃的SB山中亮輔に漂うブレイクの気配

2018年02月27日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

抜群の攻撃性能を遺憾なく発揮する姿は、まさに水を得た魚。

C大阪との開幕戦で、山中は強烈なミドルシュートを叩き込み先制ゴールを奪取。今後の飛躍を予感させた。写真:川本 学

[J1リーグ1節]C大阪1-1横浜/2月25日/ヤンマー
 
 セレッソ大阪とのJ1開幕戦で、横浜F・マリノスの山中亮輔が魅せた。

 17分に地を這うような強烈なミドルシュートを叩き込み、観客の度肝を抜いたのだ。この日、ヤンマースタジアム長居に駆け付けたセレッソサポーターに衝撃を与え、一方の横浜サポーターには歓喜をもたらした。
 
 精密かつ破壊力のある左足のキックが魅力の山中が今季、本格ブレイクするかもしれない。柏レイソルの下部組織で育った24歳のこのDFは、元々アンダー世代の代表で活躍してきたエリートで、2015年には東アジアカップの予備登録メンバーとしてA代表にも選出され、16年にはU-23日本代表としてU-23アジア選手権優勝に貢献している。
 
 近年は度重なる故障に悩まされていたが、横浜への移籍を機に復調傾向にある。アンジェ・ポステコグルー新監督の標榜する攻撃的サッカーへの順応性も非常に高い。開幕戦のパフォーマンスは、飛躍を十分に予感させるものだった。

 攻撃時に両SBが中央に入り込む独特な可変システムで左SBを担う山中は、中盤の底から正確なパスで攻撃を組み立て、前方にスペースがあれば、自ら仕掛け果敢にシュートまで持ち運ぶ。ゴール前へのクロス一辺倒だったサイドよりも、広範囲に蹴り分けられる中央エリアは、山中にとって持ち味を活かしやすいのかもしれない。新戦術の中で高い攻撃性能を遺憾なく発揮する姿は、実に生き生きしており、まさに水を得た魚のようだった。
 山中自身も「今年SBに求められる役割が普通ではなく、新しいことにチャレンジしているところ。ああやって中に入っていったからこそ生まれたゴールだし、もっと監督を信じて、しっかり要求に応えたい」と一定の手応えを掴んでいる。
 
 もっとも、これまでは常に左サイドを専門としてきただけに、中央に入ってプレーする難しさもある。
「中央に入った時に受ける後ろからのプレッシャーは今まで感じたことがないものがあります。そこは慣れでしょうけど……」
 
 ただ、山中にとっては新たな挑戦であり、プレーの幅を広げるチャンスだろう。「そこで前を向ければ自分たちにとって有利に運べるので、ターンの技術を向上させないといけない」と課題を口にする。
 
 この"ポステコ流"を完全に体得した時、山中が日本屈指の"超"攻撃的SBとしてリーグを席巻する可能性は大いにある。

【J1採点&寸評】C大阪1-1横浜|MOMは柿谷!"ニュー・マリノス"で輝いたのは…
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

次ページ【動画】山中が鮮烈ミドル弾! C大阪vs横浜ハイライトはこちら

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事