【現地メディアの反応】苦戦の末のドロー…スペイン各紙はチェルシー戦のバルサをどう評価した?

2018年02月24日 山本美智子

「価値あるドロー」に沸くバルサ寄りの報道に対して…。

イニエスタとメッシによって生まれた同点ゴールをこぞって称賛したバルサ系のメディアに対し、首都方面のメディアは……。(C)Getty Images

チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝トーナメント第1レグのチェルシー対バルセロナ戦が1-1という結果に終わったのは周知の通りだ。

 バルサにとって、敵地スタンフォード・ブリッジでゴールが奪えたのは悪い結果ではないだろう。ただ、スペイン・メディアの評価はさまざまだ。
 
 全国紙『Marca』は、「バルベルデのまずい配役を良い結果で化粧」と見出しを打ち、「スペイン国内ではクルーザーのようなスピードで舵が取れても、欧州の舞台ではまた別の話」とピシャリ。不振のパウリーニョをハーフタイムに交代しなかったことを指摘し、「後半もブラジル人MFの貢献度はゼロだった」と、指揮官の采配を批判した。

「バルサ、強敵チェルシーを引っ掻いてドロー」という見出しで苦戦の様子を伝えたのが『El Pais』紙だ。本文中では「スタンフォードで苦しむバルベルデのチームに、アンドレス・イニエスタという名の天使が舞い降りた」と、リオネル・メッシの同点弾をアシストしたイニエスタを救世主として扱っている。

 バルセロナ寄りのメディアの多くは、揃って「価値あるドロー」を称賛。「イニエスタが奪い、メッシが決めた」(El Periodico紙)、「イニエスタッソの2018年バージョンは偉大なアシスト」(Mundo Deportivo紙)、「イニエスタ、スタンフォード・ブリッジでふたたび<聖アンドレス>になる」(Sport紙)など、決定的なプレーを生み出したニエスタへの賛辞が見出しを飾った。

 その一方で、「バルセロナ発のメディアは、引き分けを勝利の如く祝っている」と、辛辣に皮肉っているのは、マドリード発のスポーツ紙『AS』だ。どのメディアにとっても、無関心ではいられないチェルシーとの第2レグは、3月14日にカンプ・ノウで行なわれる。

文●山本美智子(フリーランス)
 
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