若き日の長谷部誠に重なる長澤和輝――その直線的なプレーが浦和に再び歓喜をもたらすか?

2018年02月23日 佐藤亮太

今季は長澤の攻撃的な特性がより活かされる戦術に。

長澤と浦和時代の長谷部は、ともにゴールに直結するダイレクトプレーを得意とする。(C) SOCCER DIGEST

 プレースタイルが"あの選手"と重なる――。
 
 1月31日からスタートした浦和レッズの2次キャンプ。戦術練習が行なわれるなか、インサイドハーフでプレーするMF長澤和輝を見て、そう感じた。

 
 ミニゲームで長澤はパスを受けると一気に前線へ持ち運び、スルーパスを繰り出し、ゴールをアシスト。またサイドに供給したのち自身もゴール前に一直線。
「これだ」と思ったのが2月3日の川崎フロンターレとの練習試合。1本目28分、ペナルティエリア付近でMF柏木陽介が相手選手3人を引きつけながら、横パス。そこに長澤が飛び出して、ミドルシュート。ネットを揺らした。
 
 長澤は「バランスを考えながら、前に入っている。僕はひとつ前の危険な場所にいる」と、柏木との役割分担を語った。
 
 長澤は昨年同様、インサイドハーフで起用されるが、役割はより明確になった。昨季、堀孝史監督は守備重視の4-1-4-1を敷いた。しかし、今季は4-1-2-3と3トップにシフト。より攻撃性が求められ、より深い位置でのプレーが求められる分、長澤が本来持つ攻撃的特性がより生かされている。
 
「良いポジションをとり、ボールを引き出したい。後ろからのビルドアップができれば、前でボールを受けることでゴールに近くなり、チャンスも増える」と長澤は自身の本分を語る。
 
 推進力のあるドリブル。一本で局面を打開できるパス。大胆にゴール前に出没する攻撃性。その直線的なプレーは、まさに日本代表で長くキャプテンを務めるMF長谷部誠の浦和時代のプレーと重なる。
 
 藤枝東高を卒業し、02年に浦和に加入した長谷部は、ギド・ブッフバルト監督が就任した04年途中からMF鈴木啓太とダブルボランチを形成。ひたすらボールを拾いまくった鈴木と、その鈴木からボールを受け、攻撃の起点となった長谷部はJ屈指のコンビと評された。
 
 時を経て、今季は長澤と柏木が中盤の軸となる。状況に応じて長谷部にも鈴木にもなれ、「お互いに補える」ふたりは、説得力のあるプレーを見せている。

次ページ長谷部のように長くサポーターに語り継がれるゴールを期待させる選手。

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