リーグ方式変更論争をも巻き起こす“一強”バイエルン。欧州制覇に向けて今こそ正念場だ!

2018年02月10日 中野吉之伴

「プレーオフがあっても勝つのはバイエルン」

序盤は大混戦が期待された今シーズンのブンデスリーガだったが、バイエルンの復調とともにいつもの様相に戻った。いつも以上のハイペースで首位を走る絶対王者に死角はなし。興味はただひとつ、いつ優勝を決めるか? だ。 (C) Getty Images

 バイエルンのリーグ優勝は、時間の問題になってきている。
 
 ブンデスリーガ第21節終了時で、2位のレバークーゼンとの勝点差は18まで開いている。この時点で、ここまでの勝点差がついた例は、過去にない。理論上は第25節(3月4日)のフライブルク戦で、もう優勝が決まる可能性さえある。


 ロベルト・レバンドフスキは、18ゴールで得点王争い首位を快走。ハメス・ロドリゲスは完全にチームに馴染み、トーマス・ミュラーも復調した。ユップ・ハインケス監督は確かな手腕を見せており、選手を適切にローテーションさせながら、それぞれの調子を上げている。
 
 毎年、バイエルンの独走で"緊張感のない"リーグ戦に対して、『スポーツビルト』誌は「プレーオフ制度の導入」を提案していた。上位4チームが準決勝・決勝の決定戦を行なったらどうか? というわけだ。確かにこれだったら、他のクラブにも優勝のチャンスは生まれるかもしれない。
 
 だが、そんなかたちで与えられたチャンスに、一体どんな意味があるのだろうか。元レバークーゼンのジモン・ロルフェスは、「34試合のリーグ戦が終わった段階で首位に立っていたクラブが、このリフォームによって優勝できない可能性が出てくるのはアンフェアだ」と指摘している。
 
 他の著名人も、それに並ぶ。
 
「ブンデスリーガは1963年の創立以来、成功の歴史を辿っている。それをいじる必要はない」(ラルフ・ラングニック/RBライプツィヒSD)
 
「我々のスポーツには、すでに十分な魅力がある。2位チームだからといって、常に最下位チームに勝つとは言えないのが、リーグ戦だ」(マヌエル・バウム/アウクスブルク監督)
 
「ブンデスリーガへのプレーオフ導入には、拒否の姿勢を示すよ。プレーオフ自体はとても興味深く、良いやり方だとは思うけどね」(アルミン・フェー/ケルンSD)
 
「それでスリリングになるとは思わないよ。プレーオフがあっても、最終的に勝つのはバイエルンだ」(サロモン・カルー/ヘルタ・ベルリンFW)
 
 リーグのあり方を論じるのではなく、どのようにバイエルンとの距離を詰めていくのか。ドルトムントやライプツィヒというクラブが今後、どのようにチームを構築していくのか。そこに、今後のブンデスリーガの将来が懸かっている。

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