ガラタサライ移籍の長友佑都はなぜ、“愛する”インテルとの別れを選択したのか?

2018年02月01日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

SBの5番手に成り下がっていた。

ガラタサライへの移籍が決まった長友。ワールドカップ出場へ向け新天地での定位置奪取を目指す。(C)Getty Images

 ついに別れの時がやってきた。
 
 長友佑都が丸7年在籍したインテルを退団し、トルコのガラタサライに電撃移籍を果たした。
 
 ちょうど7年前の11年1月31日にチェゼーナから引き抜かれ、いまやチーム最古参となっていた日本代表DFは、なぜこのタイミングで退団を決意したのか。
 
 インテル加入後、最初の4シーズンはコンスタントに出場機会を得ていた長友も、ここ数シーズンは出番が減少。毎年加入してくるライバルとのレギュラー争いに勝っては負け、負けては勝つの繰り返しで、1年間定位置を守ったシーズンは皆無だった。
 
 当然、移籍市場が開くたびに、退団が取り沙汰された。16年の冬にはマンチェスター・ユナイテッドとリバプールから魅力的なオファーが届いてもいる。それでも、愛着のあるインテルでのプレーにこだわり、残留を貫いてきた。
 
 迎えた今シーズン、新加入のダウベルトとのポジション争いに勝ち、左SBとして12節までの9試合に先発するなどスタートは上々だった。だが、代表ウィーク明けの13節、日本代表としてブラジル戦とベルギー戦に出場した長友は、疲労を考慮されてベンチに温存される。
 
 すると、代わりに起用されたダビデ・サントンがルチアーノ・スパレッティ監督の期待に応え、ほぼ構想外から一気にレギュラーヘと躍り出る。長友はベンチへと追いやられた。
 
 その後は出番がほとんどなく、サントンが失点に繋がるミスを連発しても声は掛からなかった。指揮官は、右SBのレギュラーであるダニーロ・ダンブロージオを左に回し、ジョアン・カンセロを右SBで起用。最近では、途中出場でチャンスをもらっているダウベルトよりも序列が低くなり、5人いるSBの5番手に成り下がっていた。
 
 今シーズンのインテルは欧州カップ戦に出場しておらず、コッパ・イタリアもすでに敗退している。リーグ戦のみでローテーションをする必要がない中での5番手。これは、かつてないほど厳しい状況だった。
 
 そのうえ、半年後にはロシア・ワールドカップが控えている。残留してベンチ暮らしが続いた場合、31歳の長友にとっておそらく最後になるだろうこの大舞台を逃しかねない。その危機感が「愛するクラブ」との決別を決意させたのだ。
 
 この決断が吉と出るか凶と出るか——。トルコでの新たな挑戦が始まる。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事