【選手権】流経大柏の主役は俺だ!スーパーゴールに込められた菊地泰智の想い

2018年01月02日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

黒子役を担っていた菊地を変えたのは夏の日本一だ!

衝撃の先制弾を決めた菊地(中央)。2点目も奪い、この試合で誰よりも輝きを放った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[高校サッカー選手権2回戦]流経大柏 3-0 大分西/1月2日/フクアリ

 衝撃のスーパーゴールは10番の証明だ。
 
 1月2日に行なわれた2回戦のインターハイ覇者・流経大柏と初出場・大分西の一戦。夏の王者の地元・フクダ電子アリーナには10,754人の観客が詰めかけた。結果は3‐0で流経大柏の完勝となったが、その中でハイパフォーマンスを見せたのは2ゴールを決めた菊地泰智(3年)だ。
 
 とりわけ、前半3分に決めた1点目は圧巻だった。センターサークルを過ぎたあたりでボールを受けた菊地が得意の左足を振り抜く。綺麗な弧を描いたボールはゴールネットに吸い込まれ、スーパーミドルにスタンドからは大きなどよめきが起こった。
 
 試合後、衝撃のスーパーミドルについて話を聞くと、菊地から思いもよらぬ答えが返ってきた。実は狙ったものではなく感覚で打ったものだったのだ。

「ファーストタッチで左足に入ったので、シュートを打とうと思っていたらすでに打っていた。その感覚があったので良かったです。ゴールの位置も見ていなかったし、ファーストタッチからの流れで打てたので良かった。どちらかといえば、打っちゃったという感じですけど(笑)」
 
 瀬戸山俊(3年)のフィードを中央で受けると、ワンタッチでひとり外したところまでイメージにあったという。しかし、その後は感覚だけでシュートを放ったというのだから驚きである。
 
【選手権PHOTO】2回戦 流経大柏3-0大分西 10番菊地2ゴール、流経大柏が完封勝利!

 もともと、菊地は左利きの技巧派アタッカーとして、下級生の頃から大きな期待をかけられていた。3年生に入ると、当然のように攻撃の主軸としてプレーするように。夏のインターハイでも存在感を発揮し、チームの優勝に大きく貢献した。

 ただ、本人は夏の結果に満足できなかったという。何故ならば、試合を決定づける仕事よりも"縁の下の力持ち"のような黒子役を担ったため、本来の特徴であるゴールに絡む仕事が果たせなかったからだ。

次ページ流経の10番は貪欲にゴールを狙い、チームを勝利に導けるか。

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