元日本代表MF、松井大輔が紐解く「ポーランド代表の傾向と対策」

2017年12月31日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

「彼だけに意識が集中してしまうと痛い目に遭う」

現在ポーランドのオードラ・オポーレに所属する松井。同国代表チームへの造詣は当然、深い。(C)Yuji ARAKAWA

 今年夏にふたたび活躍の場を欧州へと移し、現在ポーランド2部リーグ、オードラ・オポーレでプレーする松井大輔。同国では2013年7月からの5か月間、1部のレヒア・グダニスクにも籍を置いた。当然、ポーランド・サッカーとナショナルチームへの造詣は深く、奇しくも日本代表は来夏のロシア・ワールドカップで同国代表とグループHで相まみえる。
 
 12年ぶりの出場となるワールドカップ本大会を半年後に控え、ポーランド国内におけるフットボール熱はかなり高まっているようだ。
 
「今年はワールドカップ出場も決まって、僕の住んでる街もポーランドの国自体も、すごく盛り上がってますよ。なにせ代表チーム自体が好調ですからね。(ロベルト・)レバンドフスキを中心にすごくいい状態にあるし、近年のポーランド代表のなかで一番と言っていいくらい強い。それでも(オードラ・オポーレの)会長曰く『まだポーランドのサッカーはこれだ、いうものは確立されていない』らしい。面白いですよね。実は僕も同じように感じてるんですけど、FIFAランクが一桁(7位)で抽選の第1ポットの代表チームと言えども、そういう側面があるんですよ」
 
 国内リーグでプレーする主力選手はほぼいない。それでも松井は日々の生活のなかでビアーレ・オーリー(ポーランド代表の愛称で"白い鷹"の意)を身近に感じ、暮らしている。おのずと詳しくなるというものだ。
 
「けっこうなタレント軍団ですよ。なにを置いてもレバンドフスキがいい。あんなストライカーはなかなか出てこないし、日本としてはもちろんそこを抑えないといけないんですけど、むしろ気をつけないといけないのは両ワイドの選手かもしれない。レバンドフスキは自分でも行けるし、パスを出して周りを使ったり、囮にもなれる。ワールドカップ予選の最初の頃は点を取ってなかったんですけど、その代わりサイドの選手たちがレバンドフスキの裏のスペースに抜け出して、ガンガン取ってましたよ。絶対的に怖い存在ですけど、彼だけに意識が集中してしまうと間違いなく痛い目に遭う」

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