東アジア杯で代表0キャップからブラジルW杯に辿り着いた6人、そしてロシアW杯へ“希望”となる国内組は?

2017年11月30日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

35%の確率でブラジルW杯のメンバー入り!

13年のEAFF東アジアカップで大活躍してブラジル・ワールドカップのメンバーに選ばれた柿谷。写真:サッカーダイジェスト

 EAFF E-1 サッカー選手権2017の開幕(日本の初戦は12月9日の北朝鮮戦)が迫ってきた。このアジアの舞台で台頭し、ロシア・ワールドカップへの切符を掴む選手はいるのだろうか。2013年のEAFF東アジアカップを振り返ると、そのメンバーのうち実は8人もブラジル・ワールドカップに参戦している。
 
 アルベルト・ザッケローニ監督の下、2013年のEAFF東アジアカップに臨んだ日本代表メンバーは以下の23名(カッコ内のクラブは当時のもの)。

 GKは林卓人(仙台)、西川周作(広島)、権田修一(FC東京)、DFが駒野友一(磐田)、栗原勇蔵(横浜)、千葉和彦(広島)、森脇良太(浦和)、槙野智章(浦和)、森重真人(FC東京)、鈴木大輔(柏)。MFは青山敏弘(広島)、髙萩洋次郎(広島)、髙橋秀人(FC東京)、山口蛍(C大阪)、扇原貴宏(C大阪)、柴崎岳(鹿島)、FWが豊田陽平(鳥栖)、山田大記(磐田)、柿谷曜一朗(C大阪)、齋藤学(横浜)、工藤壮人(柏)、大迫勇也(鹿島)、原口元気(浦和)。

 このうちA代表初招集は千葉、髙萩、山口、扇原、豊田、柿谷、齋藤の7人で、代表0キャップは林、千葉、森重、鈴木、青山、髙萩、山口、扇原、豊田、山田、柿谷、齋藤、工藤、大迫の14人だった(代表0キャップだった柴崎は体調不良で辞退)。
 
 この大会、日本は中国、韓国、オーストラリアを相手に2勝1分けという成績を残し、見事に優勝する。MVP級の輝きを放ったのは、中国との大会初戦と韓国との最終戦で計3ゴールを決めた柿谷だった。韓国戦の終了間際に叩き込んだ決勝弾など勝負強さを見せつけ、アピールに成功した。C大阪のチームメイトでは山口も中盤で躍動。実は公式の大会MVPは柿谷ではなく、この山口だった。
 
 ふたりの他にはオーストラリア戦で2ゴールを決めた大迫、切れ味鋭いドリブルとゴールでインパクトを残した齋藤、大会を通して安定感が光ったMFの青山とDFの森重が、"代表ゼロキャップ組"でブラジル・ワールドカップに名を連ねることになる。

 東アジアカップ組という括りでは、彼ら6名に西川、権田を加えた8名がブラジルに辿り着いたわけだが、単純に考えれば「23分の8」──。実に35%の確率でワールドカップのメンバーに入っているわけだ。

 当時と同じ国内組で編成された今回の代表メンバーは以下の通り。GKは東口順昭(G大阪)、中村航輔(柏)、権田修一(鳥栖)、DFが西大伍(鹿島)、初瀬亮(G大阪)、車屋紳太郎(川崎)、山本脩斗(鹿島)、三浦弦太(G大阪)、植田直通(鹿島)、昌子源(鹿島)、谷口彰悟(川崎)。MFは三竿健斗(鹿島)、今野泰幸(G大阪)、井手口陽介(G大阪)、髙萩洋次郎(FC東京)、大島僚太(川崎)、清武弘嗣(C大阪)、FWは伊東純也(柏)、小林悠(川崎)、倉田秋(G大阪)、阿部浩之(川崎)、杉本健勇(C大阪)、金崎夢生(鹿島)。

 このうちA代表初招集が山本、初瀬、三竿、阿部、伊東の5人で、代表0キャップは中村、山本、植田、三浦、初瀬、三竿、阿部、伊東の8人だ。過去の事例を踏まえれば、ここからロシア行きを叶える選手もいて不思議ではないということである。

次ページ“5か月間”の差は無視できない。

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